「甘城ブリリアントパーク(TVアニメ動画)」

総合得点
86.2
感想・評価
2741
棚に入れた
14758
ランキング
208
★★★★☆ 3.8 (2741)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
4.0

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めいろ* さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

だれかに夢を見せたいなら、まず自分たちがその夢を信じるべきなのだ。

本作品をもしかすると知らない方がいるかもしれませんが、この著者である賀東さんを知らない人がいるかもしれないというのは僕世代からして言うとちょっと信じられない事です。

大人気ライトノベル、フルメタルパニック原作者、賀東さんの新作になります本作品は、多くのメルヘン系キャラクターと共に遊園地の再建を目指す高校生の物語です。

本作品がライトノベルとしてこの世に出た時、僕は思わず手に取って、「なるほどなあ・・・」と感嘆してしまいました。

と言うのも、フルメタルパニックという作品は富士見ファンタジア文庫の歴史を辿っても随一の人気作品で、それは次に出す新作がいかにハードルの高いものであったか見当がつくでしょう。

フルメタがバトル×バトル×恋愛くらいの掛け合いで織られた作品でありながら、本作品はどうでしょう。


遊園地の再建?それも、高校生が?


そんなライトノベル、見たことも聞いたこともありませんでした。
だから僕は、思わず手に取ったのです。だってそうでしょう。

これがどんな物語で、どんな進行を見せるのか、本当に微塵の見当もつかなかったのです。
どこに焦点があって、これが読者、視聴者に何を訴えられるのか、見当もつきませんでした。だから、手に取ったのです。


一度、ここで題名に回帰させてください。



「だれかに夢を見せたいなら、まず自分たちがその夢を信じるべきなのだ。」



これは主人公の可児江西也が放った台詞だったと思います。
本来はあまり遊園地の再建にそこまで前向きでなかった彼ですが、それは遊園地を運営する側も同じく前向きではありませんでした。

つまるところ、遊園地再建に前向きでないスタッフ側の意識改革から本作品は始まります。

そこで上記の彼の台詞です。

遊園地に来る子供たちに楽しい夢が見てもらえれば。その考え方は確かに遊園地の運営側らしいものですが、まずその夢を自分たちが信じるべきだと彼は諭します。

これらのシーンを見た時、僕は思いました。

本作品は、非現実的な設定の中でも、遊園地という客観性はしっかりと踏襲して、すなわちこれがメインストリームなのだ、と。

そう感じてから、本作品に没入するまで時間はかかりませんでした。

ほんの少し恋愛テイストがありますが、花屋の前を通り過ぎる際に感じる薄い香りくらいの絶妙さです。きっとこれから先、なかなかこういう作品は出てこないと思います。

遊園地の再建に伴う彼らの成長と意識の推移、みんなの想いと、”お客さん”が紡ぐ新鮮味のある秀作、これが、甘城ブリリアントパークです。

投稿 : 2017/02/28
閲覧 : 318
サンキュー:

9

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