赤緑 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シリーズ中、屈指のエピソードの映画化作品
涼宮ハルヒシリーズを未視聴の方は、まずTVアニメ版、2期からでOKなので観てから本作を観よう。
そうしないと、いきなりこれを観ても絶対にわけが分からない。
1期を観たが2期だけを観てない場合も、笹の葉ラプソディだけは観ておいた方が良い。
原作読者として、『消失』は特別なエピソードであり、その映像化にはやはり特別な感慨がある。
結論としては、おおむね満足の出来。
言うまでもなく、本作品でのメインヒロインは長門である。原作も含めて、これを知るまでは長門は萌え対象ではなかったのだが、これを読んで/観てからは萌えるようになってしまった。
この作品での長門を見ていると、2世代くらいまえのライトノベル――当時はライトノベルとは呼ばれていなかったが――を読んだ時の気持ちになる。なんというか、切ない。
絵柄が変わっているかどうかはどうでもいい。長門はイメージ通りだった。
・・・と思ったけど、ハルヒがモブっぽくなってておまけにあまり可愛くないなあ。わざと?
上映時間はほぼTVアニメ5話分ちょっと程度の長さで、ちょうど良い。
{netabare}だが、これを映画にするために2期からカットしてエンドレスエイトを8話にして穴埋めしたのだとしたら絶許。
『溜息』が逆に映画のような1本を5話に分割したような作りになっているのは、ある種の実験だったんだろうか。それともそっちが映画になる予定だった? いや、それは無いか。
{/netabare}
そういえば、と気付いたこと。わりとどうでもいい。
{netabare}
文芸部室にあるパソコンは、NECのPC98版Windows95である。いずれも実名で出ている。ファミマも同様。この2社は、「作品協力」としてクレジットされている。マイクロソフトは出てこないな。あとは、『ハイペリオン』と「甲南病院」も「作品協力」に含まれている。
ところで、甲南病院という実在の病院が出てくる。キョンが入院する病院だ。これだけを取っても、本シリーズの舞台が神戸に近い土地であることが明らかに思えるが、なぜ関西弁でないのだろう。これって他にアニメにも言えることだけど、どうやら答えは、設定や演出上で必要でない場合は標準語にするという、お約束みたいなものなんだな。
「ジョン」ってありふれた名前なだけかと思ったけど、ローマ字(訓令式)だと -yon で共通してるんだな。それと、もしかしてジョン・タイターにも掛かっている? こちらは考え過ぎか。原作読んでても気付かなかったけど、そして笹の葉の視聴のときにも思いつかなかったけど、ハルヒが口にしているのを聞いたらふと頭に浮かんだ。その程度の集中力である。そしてどうでもいい。
{/netabare}
《総合評価》
評価点数は、1期と比較して物語を上げて作画を下げたいのだが、いずれも0.2程度なので反映が難しい。よって据え置きとした。その代わり、長門の活躍を評価して、声優とキャラを上げた。
後は、自分の中での本シリーズのピーク時点での点数である。今は少し醒めてしまったので。
物語:
ちょうど真ん中で話が急展開するのが気持ちいい。
満足度ではトップクラス。5.0つけるか迷ったが惜しくも。
作画:
前述のとおり、思ったより悪い。長門が可愛かったのは良かった。
声優:
変わりない。
音楽:
このOP曲で良かった。
キャラ:
長門。