どらむろ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
異世界召喚ハーレム無双、許せる!キャラの魅力、ロボットアニメとしても良いです。
異世界に召喚された主人公・柾木剣士(まさきけんし)君が、異世界で学園ハーレムに巻き込まれたり、時々ロボットバトルしたり。
全13話で1話辺り通常の2話分なので、実質26話。
「天地無用!」シリーズの外伝ですが、本作単体でも十分過ぎる程面白いです。
世界観もキャラも魅力的で話も親しみ易い、ハーレム状態も微笑ましく映る剣士君のキャラクター、適度にバトル、あまり血生臭くない。
「学園ハーレム日常系」「無双系」「異世界ファンタジー」「ロボットアニメ」「オネショタ」
これらのどれか、またはどれかが好きならば(どれかは嫌いでも)オススメし易い良作。
{netabare}『物語』
異世界召喚された主人公・剣士君が、最初悪党側に利用され、その後でヒロイン陣営に来る…
出だしは「聖戦士ダンバイン」っぽい異世界ロボットアニメかな~?
色々と複雑な事情ありそうと思いきや、話の中心は剣士君をヒロイン達が可愛がる学園ハーレム日常系なのであった。
…1話でシリアスなロボットアニメを期待していると2話以降肩透かしかもですが、本作の真骨頂はむしろ日常系にあり。
(それでいてシリアス面もしっかりしているのも魅力)
人型兵器「聖機人」そのパイロット「聖機師」や、世界のパワーバランス維持の為に各国の聖機人の保有数を教会が管理、聖機師候補たちを「聖地学園」に集めて育成、男性聖機師は希少、聖機師同士の子供の方が強い聖機師産まれるので、必然的に男はモテる…
「IS(インフィニットストラトス)」っぽい、定番設定。
…ちなみにIS1巻は2009年5月30日刊行、本作1巻は2009年5月22日発売
奇しくもほぼ同時期だったり。
ISと比較すると、剣士君が精神的に子どもな為か、ラノベ的なエロ萌え路線は殆ど感じない。
それでもオネショタなエロ萌えなら十分あり、これが見所に。
とにかく、剣士君の完璧超人っぷりが凄まじく、戦闘でも日常でも、終始無双、普通ならば嫌味になりがち…
ところが剣士君、性格がまるで仔犬のように可愛らしく、年上のお姉さま方(メインヒロインのラシャラ様は12歳で年下)に愛でられる流れが非常に自然な為か、嫌味が無い!
戦闘でも人格面でも完璧に頼れるのも、ヒロイン達が落ちていくのに説得力十分でした。
序盤以降は延々と学園ハーレムが続くものの、ここら辺飽きさせないのが本作の魅力。
ゆっくりと学園日常系の一方で、ジリジリと不穏な陰謀が進行。
「悪の黒幕が禁断の兵器起動させて世界征服狙い、主人公側が阻止しに行く」
終始、大きな話の流れが分かり易いのが良い。
剣士君は愛でられ系主人公で、中盤以降のシリアスなドラマは、各ヒロインや敵側の群像劇になっていく。
敵側のメイン男子ダグマイアを中心にした女性陣(キャイア、エメラ、ラン)の愛憎劇が中々。
…でも本作一番の見せ場は10話(実質20話)で、これまで12歳の幼さを隠して気丈に振舞ってきたラシャラ様が、剣士に弱い本音見せて泣くシーン。
剣士争奪戦のライバル多い中でも、ラシャラ様との交流の積み重ねが活きている名場面でした。
キャラもさることながら世界観の魅力が高いです。
異世界ジェミナーに満ちるエネルギー「エナ」を動力とする「亜法結界炉」で聖機人が動く、エナは上空500mまでしかないので、聖機人は500mまでしか飛べない制約など、良く練られている。
後半語られる世界の秘密も興味深い。
聖機人や空飛ぶ島「スワン」(亜法結界炉で飛んでる)が届かない高所から落石してくる敵の要塞攻略に苦戦したり、逆手に取った発想で攻略したり、戦術面が面白い。
亜法結界炉より性能の劣る蒸気機関メカが、聖機人には出来ない活躍したり。
戦闘シーンはロボットアニメとしては地味目ですが、各種の設定を活かした戦略や駆け引き、生身で潜入やかく乱工作など色々工夫がある為か、中盤以降のシリアスバトル展開も飽きさせない。
…もっとも、最強系主人公剣士君が、あらゆる状況をひっくり返してくれるのもまた、痛快だったり。
終盤は剣士君ハーレム(モブ含む)の面々が全員で頑張ってピンチを凌ぎ、ラスボス機と壮絶なバトルで決着に至る、熱いです。
総じて魅力的な異世界設定やキャラ、オネショタ寄りな日常系萌えが楽しい、シンプルで分かり易い展開、ロボットバトルも無双と工夫のバランス良く水準以上、隙の少ない良作でした。
(完全では無いが)終始不殺寄りなのも安心して楽しめる。
…4点か迷います。
丁寧な良作なんですが大きく盛り上がる展開は乏しいのと、ラブコメ面では剣士君が終始無垢な為かやはり大きな盛り上がりは少ない。
ラシャラ様の涙は良かったものの、出来ればあと一歩ラシャラ様専用イベントがあれば。
不殺路線も中盤以降やや地味になりがちだったかも…
でも、派手な見せ場は少ないけれど、全13(実質26)話に渡り安定感バツグン。
基本的な作りが良いので、繰り返しの視聴に耐えうる良作。
ロボットアニメや学園ハーレムがニガテな視聴者にもオススメし易そうです。
『作画』
ヒロイン勢の可愛さも、聖機人のカッコ良さ、バトル描写も文句なし。
剣士君は可愛い小動物系、泣き顔の崩し絵かわいいです。
空飛ぶ浮島などの異世界描写や、一部スチームバンクな整備シーンなど、世界観描写も良い感じ。
『声優』
剣士君の下野紘さん、非常にはまり役だったのでは。
あざとくなり過ぎない絶妙なショタ男子!
ラシャラ様の米澤円さんの可愛さも光った。
「けいおん!」の憂ちゃんと同時期のメインキャラです。
桑谷夏子さん他ヒロイン勢が安定感あり。釘宮理恵さんのアウトロー寄りな演技も。
松来未祐さんの声聴くたびに、偲ばれます…。
『音楽』
OPは異世界のワクワク感、EDはしっとりとした余韻あり。
BGM含めて安定感ありました。
『キャラ』
柾木剣士君が無垢で、清々しい程に最強無双&モテモテハーレムでも驚く程嫌味なし!
「流石(お兄様)系」ではなく「○○(伊丹)なら…」に近い。
ヒロイン達皆のペットというか、皆の弟といいますか。
この手の主人公でも稀有な逸材でした。
最強の理由づけもありますし、隙が無い。強いけどおバカ?いやいや、頭脳面でも戦術家としても天才的だったり。
無垢で裏表の無い優しさもステキ。
皆から愛され、皆から頼られ、皆の為にがんばり、それでいて本人は小動物のように純粋。
素晴らしいハーレムショタ主人公だ!
…ただ、愛玩される系な為か、(視聴者目線では)抜きん出た魅力とまでは。
(うたわれるもののハクオロさんに比べると)
良くも悪くもニュートラルな存在で、それゆえにアクの強い女性陣の魅力引き立て役に徹していた感じ。
最萌ヒロインはラシャラ様です。金髪、12歳にして大国の女王、お金にがめつかったり、12歳らしからぬ政治や戦略の才。
君主としての威厳と、俗物っぽさの絶妙なバランスもまたかわいいです。
…10話で泣くシーンのいじらしさ可愛さときたら!
技術者少女ワウのたくましさも好き。スチームバンク要素は彼女の担当だった。
ダークエルフの姫アウラさんも捨て難い。一番「くっころ」になりそう…
凛々しいがお姉さま方の中では奥ゆかしい方なのが可愛い。
姫やお嬢様多く、皆一癖あってキャラ立っている。
生意気黒髪お嬢様マリアの従者、無口騎士ユキネさん萌え。従者は奥ゆかしい系多くて姫勢より可愛いかも。
眼鏡っ娘生徒会長リチアなど良い感じのツンデレお姉さん層が分厚い!
フローラ様が一番美人…随一のクセ者だけど。
キャイアは悲恋的な意味で陰のメインヒロイン。
この他モブ含めて殆ど捨てキャラがいないのは凄い。
敵側の女山賊っぽいランのふてぶてしさ好きなんですが、剣士君の前では小物になりがち…
ダグマイア君も結構才覚はあったし良い線行っていたが、相手が悪くて勝てないのは、ちょっと気の毒。
Zガンダムのジェリド…に比べても女性運はヒケを取らないが、相手が悪かった。{/netabare}