u-i さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ストーリーの教科書
ストーリーラインが秀逸です。
これが放送されて以降、似たようなアニメや漫画、ラノベが増えましたが、そのいずれもこの作品に追いつけないのは、設定をパクってストーリーをパクらないからです。
まぁ、ある意味では当然で、両方パクったら丸パクリで訴えられるので出来ないのでしょうが、言いたいのはそういうことではなく。
設定はオリジナルにストーリーラインをパクれということです。
この作品の魅力は、かわいくキャッチーなキャラデザインで見かけ上萌えアニメに寄せながらがっつり重たい設定を持たせたことでもありますが、それ以上に構成の素晴らしさに支えられています。
三話区切りで各キャラに焦点を当てつつ、全体のストーリー構成も驚くほど綺麗に整えられています。
3話での急展開、中盤における葛藤と苦悩、同時に次々と明かされる世界の裏、そして終盤の入り口でまた別の角度から再度物語全体を見せ、これら全体を総括して、さぁ最後に主人公はどういう行動を取るのか、という最終話。
これほどすっきり収まった作品は近年あまり見ません。
12、3話編成のアニメを作るとき、これが物語の基本構成でしょう。しかしこれがうまくできることはあまりないのです。どこかで歪みがあります。設定に矛盾があったり、物語のためにキャラの心理が雑に扱われたりします。この作品は、そういう歪みがまず見当たりません。
この作品は基本かつベストな形を驚くほど正確に作り上げているのです。
そういう意味で、アニメ脚本構成の教科書となる作品でしょう。