明日は明日の風 さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
究極の最強主人公系アニメ…劣等生のタイトルに騙されてはいけない
下位にランクされている主人公が、実はとんでもなく強かったり、実力を隠したりというのはよくある話です。これもその系統なのですが、突き抜けすぎて笑うしかありません。劣等性のタイトルそのものが間違っていると思えてくるほど、主人公の凄さが随所に出てきます。
狭い範囲でストーが展開されるのですが、世界観が幅広いのでスケールが大きく感じます。
物語は難しい内容ではありません。{netabare}「魔法師」になるための国立学校に入学した主人公の司波達也。その学校はエリートの一科生と補欠の二科生に分かれていたが、達也は二科生。しかし、才が見抜かれて生徒会と絡むようになり、さらに、その能力がとても高いものと認識されるようになって、いつの間にか学校の中心的な存在となっていく。しかし、その実態は超がつくほどの優秀な技術者であり、さらに軍の特務をこなすスーパーな人物であった。家の縛りで妹の深雪のガーディアンとなっていたが、よき恩師や同級生、先輩に恵まれ、能力を発揮して、トラブルを解決していくという感じです。
26話を3章に分け、入学から風紀委員として周りから認められていく過程を描いた「入学編」。九つある魔法科高校の対抗戦を描いた「九校戦編」。九校の学術大会中に会場よなっていた横浜がテロによって動乱となる「横浜騒乱編」とまとめられています。正直、騒乱編は笑ってしまいました。もはやバトルものというより、アクションヒーローものです。そこまでいくか!という感じで。{/netabare}
達也は一つの感情以外欠落していて、普通ならラブになるシーンや笑えるシーンもいまいち盛り上がりません。そこが普通の主人公と違って、この作品では良いところなのかもしれませんが。それと、この作品の特徴は、達也に絡む同級生や先輩、会社、軍の人々が全員「いい奴」なところです。多くの作品主人公と仲良くしながらも裏で主人公を嫌っていたり、邪魔したり、敵だったりする人物がいるのですが、この作品ではとうとう最後まで現れませんでした。物足りないような気もしますが、バトルにおいて邪魔にならないので、スムーズに進行した感じがよかったように思います。
ヒロインたちも感じがよい子が多いのも特徴です。やっぱり深雪なんでしょうか。あの声で「さすがです、お兄様」と言われたらかなり来ます。会長の七草(さえぐさ)、風紀委員長の渡辺、同級生のエリカと美月と、中の人の声が合っていて、それぞれ魅力的です。野郎たちも存在感があるキャラばかりで、話を盛り上げてくれます。
アニメは途中で終わっています。続きがありそうなので、見ないとモヤモヤが残りそうです。達也の過去に何があったのか、十師族や百家本流とはいったい何の存在で、その中で司波兄妹はどんな存在、立場にあるのか、四葉家とはなんなのか、兄妹の生い立ち、こういった重要なところは隠されたままです。原作を読めばいいのでしょうけど、ぜひ、アニメで見たいものです。
主人公最強系のものが好きな人は気に入ると思います。この夏に映画がるようなので、興味を持った方はまずは見ておいたほうがよいのではないかと思います。