めいろ* さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
全ての感情を従えて、俺と一緒に笑ってくれ。
ライトノベルをよく読む方で、この作品を知らない人は恐らくいないんじゃないでしょうか。
全くライトじゃないライトノベルという表現がベストマッチングな本作品、境界線上のホライゾンです。
この作品の作風としてまず最初に評価したいところが、キャラクターの豊かな創造性です。魔法使いは勿論、剣士、槍使い、弓使い、更には作家や忍者に野球選手、デブにハゲに不明物質等、なんともユーモアに溢れたキャラクターが勢揃いしています。
そんな個性豊かなキャラクターの中でメインを張るのが主人公、葵・トーリです。
彼はリーダー気質なところと裏腹に、発言が軽く行動も軽い、だらしがなくて力も弱い。ある一点を除いてリーダー気質の欠片も無いニートみたいな人物です。
本作品では、ある一点、たった一点の彼の素質が、彼を慕う要因になっています。
ここで、題名に一度回帰します。
「すべての感情を従えて、俺と一緒に笑ってくれ。」
これはヒロインのホライゾンに彼が言った台詞です。
普段はだらしのない主人公ですが、とても情に厚く、絶対に仲間を見捨てません。
どんな困難も、仲間の為なら身を削り、彼は必ず乗り越えます。
普段の軽さは本心の裏返し。
決めたら必ずやり通す。
絶対に諦めない。
それは不屈の精神でしょうか。
たぶん、違います。
彼は自分が弱いことを理解している。
自分が周りに支えられている事を、自分が一番理解しています。
根拠のない擁護精神は、かえって独り歩きして、陳腐に見えがちです。
仮に彼のその精神を不屈の精神とするならば、
それは彼に宿ったものではなく、みんなが宿して彼が紡いだ、不屈の魂なんだと、
彼を見ていると、そう思うのです。