マーリー・マル さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ドストエフスキーと水戸黄門
先に断っておきますが、僕はこの作品の原作を読んでいません。また原作では~とか、原作の方が~といった比較はアニメの話数を考えるとあまり有効ではない気がします。約50話の枠があるというのはアニメ単体で評価するべきでしょう。
それでは内容に
元祖中二病(中二病の定義は曖昧ですが笑)の作家といえばルソーでしょうか?それともサリンジャー?僕はドストエフスキーの「地下室の手記」をおすすめしたいです。地下室にこもった主人公がひたすら社会が悪いと叫ぶ作品です。そして主題には過剰な自意識が上げられている。十二国記の序盤~中盤は出てくるキャラが悉くそんな感じで見ているのが辛いです。
中盤、30話ぐらいから面白くなる。話の内容が一気に水戸黄門の時代劇になります。終盤はハードボイルドな漢の話です。終盤は吉宗風なので暴れん坊将軍かな。
この作品は世界観は良いのですが設定が割とガバガバで、例えばセックスの問題や貨幣経済(流通・交易)がうまく説明しきれていない。その点はまお勇や狼と香辛料の方が良く出来ている。
あまりこういう事は言いたくないですが、50話かけてこの作品を見るなら、僕は銀河英雄伝説を推したい。
類似作品はふしぎ遊戯や彩雲国物語でしょうか。