めいろ* さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
みんなが笑って、昼寝だけしていればいいような世界
僕世代のライトノベルファンで、本作品を知らない方がいるのかどうなのか、明確ではないですが、少なくとも当時の僕にとっての富士見ファンタジアが誇る名作、伝説の勇者の伝説。通称、伝勇伝です。
本作品のメインストリームにいる人物は3人。
周りから忌み嫌われる対象の複写眼を保持する主人公、ライナ。
王家の血を引きながらも、母が平民であるが故に蔑まれてきたシオン。
ライナのお目付け役となる剣の一族であるエリス家の娘、フェリス。
ライナとシオン、元々の環境が原因で、この世界を変えるために革命を起こします。
革命をきっかけに、ライナとフェリスが王国の外へ旅に出て、シオンは王国で内政や様々な問題に取り組みます。
レビューで作品のあらすじをここまで書いたのは、もしかすると初めてかもしれません。
早速ですが、題名に回帰します。
「みんなが笑って、昼寝だけしていればいいような世界」
これは、ライナとシオンが当時に夢見た世界です。
当時と比べて、お互いがお互いに現実を理解し始めます。
その中で起きるすれ違いだとか、食い違いが、本作品ではなんだか妙にミスマッチに思えてしまうような。
と言うのも、作中では簡単に人が殺され、恐ろしく残虐で狡猾な世界観がある一方で、こんな繊細な心情の機微が描かれているのは、なんだか気持ちが悪いですよね。
この気持ち悪さが妙に心惹かれます。
ついでになりますが、これは完全に個人的な好みの問題で一つだけ。
主人公のライナ・リュートが、完全にチートです。
要するに本作品は、”主人公最強”の作品になっています。
ライナはやる気がないだけで、本気を出せば誰にも負けません。
こういうキャラクター設定は、ある種で直線的だと言われてしまうかもしれませんが、
僕は大好きです。