涼宮ハルカスキー さんの感想・評価
2.1
物語 : 1.0
作画 : 1.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
今さら感にあふれる駄作
まず演出がダメ。CGであることに溺れてしまい、パンニングや回り込みが多過ぎ。狭い喫茶店内を効果的に描こうとして使っていると思うがやり過ぎ。ド素人がビデオ撮影でエフェクト多用しがちな傾向と同じで、プロとして情けないやり方だ。
ストーリーについて言及すると、基本的に短編OVAの総集編であるため、1本の長編として見た時シナリオのチグハグ感が否めない。
特に酷かったのが、{netabare}如何にもロボット然としたカトランのくだり。ここだけギャグモノで浮いている。
あと、主人公の友人のマサキ。彼こそが生い立ち・家族構成・人生目標において本ストーリー一番の重要人物であるにも関わらず、主人公を引き立てる為の脇役に成り下がってしまっていることが残念である。 {/netabare}
しかし一番ダメなところが「いまさらな設定」であることだ。
日本ではTVアニメ「鉄腕アトム」公開時から「ロボットは友達」というスタンスであり、これを観て育った日本人は全てこの延長にある。またアトム以降も「メカは友達」「ボールは友達」と無機質なものに注ぐ愛情に関してはどこにも負けない。{netabare}だからこそ、本作品のような例外的なものがあってもいいという意見もあると思うが、それにしても稚拙である。新たに「ドリ系」という用語を創り、今までにない新しいアニメを作りましたという意気込みは感じられるが、そもそもこのような設定自体が我々日本人には納得できない。
更に、いまさらアシモフのロボット三原則を持ち出すのも時代錯誤。しかも既にロボットと共存している世界において、この三原則を知らない連中が存在しているというあり得ない設定。これって日本に住んでいながら「車は左側通行である」ことを知らないのと同じ位に非現実的である。というか、設定の甘さがバレバレである。
そもそも、ロボット達が雇い主である人間に黙って勝手な行動をしているのであれば、それに応じた結果を描いてほしかった。それが種族間を越えた愛なのか、越えられない壁に悩む姿なのか、人間に対する反逆なのかは分からないが… 今の時代にロボット物を創るのだったらこういうものを観たかった。
{/netabare}