えだまめ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
多少引っかかるところもありますが傑作です
放送から10年経ってから観たので原作者と監督のブログ発言騒動などはよくわかりませんし、原作未読ですので原作との違いについても触れません。
とても楽しめました。24話ありましたが1日で一気見してしまった笑
あまりアニメは観ていませんが、エヴァから特撮感とややこしい設定を抜いて、まどマギの要素を入れてみましたって印象。キャラの人数が多いため、一人ひとりの掘り下げが出来ていないという声もあるようですが、私はそうは感じませんでした。確かにキャラの背景描写が少ない人もいましたが、1つの物語を構成するギミックとして彼らはよく作用していたと思います。序盤に死ぬと個人の物語が掘り下げられない代わりに、子供の死という現実を重く描けます。後半になればなるほど、キャラの死は軽くなっていきますから。その辺りはとてもよく計算されていると思います。
さらにうまいなと思うのは、よくある「こいつは主人公で、こいつは咬ませ犬だろうな、あとこいつは裏切るわ」という予測がことごとく外れ、ええ!マジか!と予測がつかない展開に持っていくところ。状況の説明も小出しにされるため、サスペンスとしての要素も十分備えていると思います。
物語の途中で子供達は何度も集まってミーティングを開きます。それが秘密基地のようなマンションの地下室で行われるため、なんともワクワクしてしまう。話し合われている内容はとても深刻なのですが笑
ですがそれも話が終盤に差し掛かるにつれてメンバーは減り、もうすぐ終わるんだと観ている私たちは実感します。子供の頃、外で遊んでいて夜が近づくにつれて人が減っていくあの寂しさですね。子供が主人公だからこそできることだと思います。
中盤以降は各キャラ一人ひとりの話に焦点が当たり、ロボ戦がオマケ同然の扱いに笑
元より人間ドラマを楽しむ作品なのでしょう、胸熱展開も多く不覚にもウルっときてしまった。
残念だったのは時間経過があまり上手く描けていなかったところ。場面が切り替わると数週間経っていたりして、置いてけぼりを食らうシーンも。
軍や政府によるパイロットの子供達に対する身辺調査が甘く、彼らの親が重要な施設のお偉いさんなのに全然知らんかった!的な展開にも、ちょっと引っかかりました。リアルに周囲の状況を描くなら、その辺りもキッチリやってほしかった。
ですがそれらを差し引いてもこの作品は傑作だと思います。多少鬱展開かもしれませんが、それだけで避けてしまうにはもったいない魅力を備えているので、是非一度は観てみて下さいね!