かんろ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
上質、昭和の匂いがしてきそう、懐かしさに1期を思い出し涙腺が緩む…歳だな…。
自分も歳なのか、1期からの時の流れを見て、
登場人物と共にあの頃を思い出し、懐かしさに涙が止まりません。
だって本当に、小夏さんもその息子さんの信ちゃんも、
与太改め助六さんに似ているんです。
そして八雲師匠も、あの面影を残したまま歳老いて。
時の流れと新旧交代の様が見えます。
主要キャラの目がいいです。みんな人生の哀しみがあり、艶がある。
助六の孫にあたる信ちゃんに至っては、
当代きっての美少年だと思うのですが。少女漫画の世界ですかね。
作画がいいと思います。
キャラの表情、姿格好、着衣、仕草、観客などモブの一人一人が、
活き活きと丁寧に描かれていて臨場感がわきます。
作画的には、1期より更に、油が乗っている感じがします。
EDに流れる、渋井夏奈さんという音楽監督さんの
歌無しの日本のモダンジャズがまた、
一話一話の終わりをしっとりと締めてくれるのが、心地良いです。
この畠山守監督さんのOPとEDは、独特です。
自然の中の気象や時間の移り変わりを美しく淡々と描いています。
5話を見てまた強く思ったのですが、
光や影、水や香り、音が各々の間合いを引き立て、空間を作り、
物を語っているのが魅力です。
それは、日本文化や落語とも共通していて落語世界を引き立たせているようです。
同監督のさんかれあのOPも独特です。
地面とか水面とか穴とか白や黒の余白とかに上下に斜めに出入りするんですよね。
背景に足がついていない感じで不安になるんです。
何かヒヤッとした中に生暖かいものを感じます。
そこが生死に対面させられてる印象がある。
落語心中のOP、EDも同じです。
さんかれあも好きで期待していたのですが、話が尻切れトンボになってしまって惜しかったですが、落語心中は期待しています。
繊細で美しい感性の持ち主なんでしょうか。
何も言わずとも、背中や表情や仕草、舞台背景で語り、匂い立つ、
昭和が香って来る素晴らしいアニメだと思います。