oxPGx85958 さんの感想・評価
1.9
物語 : 1.0
作画 : 1.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
もったいない
私自身、自転車を趣味としていて、実際に走ったことのある場所がいくつか出てきたりするので、おつきあいで最後まで見ました。それがなければ1話の途中で投げ出しているような作品です。
本作は放映延期や作画崩壊で有名になりましたが、私としてはそういうのはそれほど気にならないのです(まあ限度というものはありますが)。耐えられないのはダメな脚本とダメな演出。本作はこれらの点でまともとは言いがたい出来でした。
2016年の末に、同じ2016年秋アニメの『うどんの国の金色毛鞠』の監督を降ろされた人が、脚本家を名指ししてFacebookで愚痴ったという事件がありました。その脚本家・高橋ナツコがこの『ろんぐらいだぁす』のシリーズ構成も手がけています。本作のトラブルは制作会社のアクタスと関連づけて語られることが多いようですが、あの告発を読んだ後では、脚本家の責任はどのていどなのだろうかと考えてしまいます。工程の上流がダメだと下流にしわ寄せが来るという当たり前のことが、こちらでも起こっていたのではないか。
特に自転車に関する知識もなく、原作にあったであろう諸要素を1クールに収まるように適当に組み合わせたという感じの投げやりな構成の中で、びっくりするぐらいイマジネーションに欠けた会話とモノローグが繰り広げられます。
主人公を演じる東山奈央の無駄遣いであると同時に、自転車という魅力ある題材の無駄遣いでもありました。作り手がもっと真剣に取り組んでいれば、もっと面白くなるポテンシャルがあったはずの作品でした。