oneandonly さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
序盤を乗り越えれば、意外と真面目な青春作品
世界観:6
ストーリー:6
リアリティ:5
キャラクター:7
情感:7
合計:31
学園の問題児の巣窟「さくら荘」に住む2年生の神田空太は、変人たちに振り回されながら、「脱・さくら荘!!」を誓う毎日。
そんなある日、「さくら荘」に、可愛くて清楚で、しかも世界的な天才画家である椎名ましろが越してくる。彼女を寮の変人たちから守らねば!と考える空太だったが、ましろにはとんでもない秘密があった。なんと彼女は外に出れば必ず道に迷い、部屋はめちゃくちゃ、ぱんつすら自分で選べないし、穿けない、生活破綻少女だったのだ!
空太は寮生たちによってましろの“飼い主”に任命されてしまう。こうして凡人・空太と天才少女・ましろの“飼い主とペット”生活が幕を開け・・・?
この物語は、変人と天才と凡人が織りなす青春学園ラブコメである。
(公式ページより)
あるサイトでは泣けるアニメに名前があがっており、あにこれでも比較的評価が高いのでこの機会に視聴してみることにしました。
序盤は私の嫌いなハーレム的な生活環境、リアリティの欠片もない女子描写(品のないエロ要素あり)から、断念も頭をよぎりましたが、{netabare}椎名の突き抜けた変態さ(コンビニでバームクーヘン食べていたあたりから)と、しっかりツッコミを入れる空太の存在、{/netabare}意外に真面目なストーリーが反感を徐々に取り払ってくれたことで、2クールでしたが完走できました。
上井草美咲の躁っぷりは、とらドラ!の櫛枝実乃梨を思い出しました。終わってみればムードメーカーとして良い存在感を発揮していますが、全体としてみればリアリティ面を大きく下げてしまったようにも思います。
椎名ましろは神聖な雰囲気の美少女で、典型的なアニメ世界の偶像キャラですが、白痴ぶりに独特さがあったり、後半、{netabare}空太に恋心を抱いてからの行動は微笑ましかったです。
印象深かったのは、空太がゲームのオーディションを受けていた会社から、ましろ宛の手紙が届いたシーン。天才との差を感じる人間の苦悩…抉ってきましたね。また、七海が告白をしたかのような台本の練習シーン(巧い!)、七海が挫折を味わったことについて、この経験は私のものだと前向きに受け入れたシーンも良かったです。
リアリティ面で書き残しておくこととしては、空太がさくら荘に住み続けることを決めた時に、飼い主を探して一度手放した猫をまた集めるという展開は不要と思いました。受け入れたほうだって、返してくれと言われたら複雑でしょう。こういった、見えない人間やモブを軽んじる作品は一流にはなれません。
美咲の卒業式ジャックは流石にやりすぎですね。そうでもしなければさくら荘の継続ができなかった経緯はわかりますが、他の生徒にしてみればさくら荘のことなど知ったことではなく、関係ない演説を延々とさせられた挙句に教師陣と険悪な事態となり、大切な卒業式をぶち壊しにされてしまったのですから、あのような盛り上がりは起こらないと思ってしまいます。
また、最後に新たな寮生が入ってきて、空太らが先輩として歓迎等していく展開は良かったのですが、美咲たちが隣に引っ越してくるという展開は蛇足だったかなと。すっきりと次の代に変わっていくほうが潔いですし、(もし作れるとすれば)続きも見てみたいと思うのですよね。あんな濃いキャラ、たまにOG出演してくれば十分でしょう。{/netabare}
総評。タイトルは微妙ですが、意外と真面目な青春ものです。ただし、序盤がシュタゲの3倍くらい辛い(当方の感覚による)ので、まずここを乗り越えられるかがポイント。アニメを普段見ない方は断念する可能性が高いため(私も2年前なら切っていたと思われます)、安易にはおすすめしませんが、2クールで過不足なくまとめられていて、視聴後の印象は良かったです。
(参考評価推移:3話3.7→12話3.8→22~24話3.9→調整3.8)
(2017.2視聴→2017.6調整)