kakelu さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
我々は身近に存在するものは、誰の手によってどのように作られたか考えた事があるだろうか?
□はじめに
伊藤計劃による映画の第3弾。
前作「ハーモニー」に登場する『大災禍』の部分にあたる内容だそうです。
私はSF初心者にして、虐殺器官&ハーモニーともに原作は未読ですので、裏事情や真意なのが異なるかも知れませんがそのつもりですのであしからず。
□メッセージ性の強いストーリー
{netabare}事前知識ほぼゼロだったので最初、物語の根幹は「ジョンポールを倒す」だと思っていましたがそれは間違いでした。
確かに、ジョンポールが大虐殺を引き起こした元凶であることは正しいですが、最も大切なものは「なぜジョンポールが大虐殺を引き起こしたのか」ということでした。
その原因は、世界情勢や貧富の差、発展途上国での治安の悪さ。
これは、現実の私達の社会でも存在しているもので、まるで私達の未来を暗示しているかのように……
視聴後、伊藤計劃の先見性にビビりましたw
この文だけだと、何だか難しい内容にに感じられるかも知れません。
正味、難しいです。
ですが、未来の可能性の1つと想定すると、「なるほど!」と思える部分が多々あり、こんな感じでいろいろと考えるのがこの作品の楽しみ方だと思います。
違ったらごめんなさいm(_ _)m
{/netabare}
□作画の素晴らしさ、そして、それによるグロさの倍増
今作の目玉のもう1つは何と言っても迫力満点の作画。
戦闘シーンの派手は伊藤計劃の三作品中断トツのトップでしょう。
ただ、作画が素晴らしいことによりグロさが強調されてしまったのは善し悪しの分かれる部分だと思います。
血肉が飛び散るシーンもあり、グロ耐性が無い人にはかなり厳しいと……
また、{netabare}少年兵たちを次々と銃殺していく{/netabare}シーンもあり、「R-15ですが私的にはR-18の方が良かったのでは…」と思ってしまいます。
□豪華声優陣&主題歌はEGOIST
この作品は主人公のクラヴィス視点で物語が進んで行くので、声優の中村悠一ファンには堪らないかも知れません。
もちろん、私もファンです(笑)
他にも、梶さんや櫻井さんなど豪華声優陣が出演しています。
主題歌のEGOISTによる『リローデッド』は作品の世界観と一致するしていて、上手く狂気を表していると思います。
ちなみに、私の伊藤計劃シリーズの3作品でのEGOISTの好きな曲のランキングは、
1位 ハーモニーの「Ghost of a smile」
2位 虐殺器官の「リローデッド」
3位 屍者の帝国の「door」
でした。