「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(OVA)」

総合得点
79.5
感想・評価
771
棚に入れた
3593
ランキング
502
★★★★☆ 3.9 (771)
物語
4.2
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ガンダムらしくないけど名作。

アニメーション制作:サンライズ
1989年3月23日 - 8月24日に発売された全6話のOVA。

【概要/あらすじ】

宇宙世紀0079年11月。
地球連邦軍とジオン公国の戦い“一年戦争”は、
オデッサ作戦での敗北、つづくジャブロー攻略の失敗によって、
ジオンは地球上の戦力を失った。

そして、戦いの舞台は宇宙に移り“一年戦争”は終局へ。
まずは、あのソロモン攻略戦に向かうのであるが、
『機動戦士ガンダム』で語られなかった戦いがある。

宇宙世紀0079年12月某日。

ジオン公国軍の特殊部隊「サイクロプス隊」は、
地球連邦軍がニュータイプ専用の新型ガンダムを開発しているという情報を元に、
奪取もしくは破壊すべく北極の連邦軍基地をズゴッグで襲撃する。
しかし作戦は失敗し隊員は戦死。シャトルによって新型機体は宇宙へ飛び立ってしまう。

宇宙世紀の世界ではスペースコロニー群に居住するスペースノイドが数十億人存在する。
サイド6(リーア)は、連邦にもジオンにも与しない中立コロニーである。
ガンダム本編で主人公アムロ・レイが父親のテム・レイと再会した場所でもある。
リボー・コロニー =サイド6に数あるコロニーのひとつで本作の舞台。

そのリボー・コロニーに住む一般人の子供、アルフレッド・イズルハ(11歳)は、
両親が別居中で母親と二人暮らし。
躾けに厳しい母親はうざったいし、学校の勉強も芳しくないし、家でも学校でも全然楽しくもない。
そんな鬱屈を、“かっこいい”モビルスーツや、
“つまらない日常を破壊してくれる”戦争への憧れで晴らしていた。

人類の半数が死滅するという“一年戦争”のさなかにありながら、
中立という国家の立場に護られて、さもゲームやアニメの世界の出来事のようにしか、
戦争を実感できていない、お子様なのである。

ブライト・ノア艦長率いるペガサス級強襲揚陸艦ホワイトベースがサイド6に入港する前日。
アル少年は父親との面会で、父の職場であるリボーの宇宙港に赴いていた。
同級生との約束で連邦軍のモビルスーツがあれば撮影することになっていたが見つからずに落胆するも、
組み立ててない状態の新型ガンダムが収納されているコンテナを、そうとも知らずに撮影してしまった。
中立を謳いながらも連邦軍の軍事研究施設が存在するなど、サイド6も裏の顔があるようだ。
アルは帰りに隣の家の10歳年上のお姉さん、クリスチーナ・マッケンジーと数年ぶりに再会する。
その翌日、新型ガンダムを追って「サイクロプス隊」のザクII改がコロニーに侵入し、連邦軍のジムと交戦する。
初めて肉眼で見る戦争に興奮したアル少年はモビルスーツを追いかける。
ザクⅡ改が被弾して墜落した先でアル少年は、ジオン兵の青年であるバーナード・ワイズマンと出会うのだった。

【感想】

ポケットの中の戦争ってどんなアニメ?

ザクがガンダムを倒すアニメ!(スパロボ知識)
身も蓋もなくネタバレですねw

史上初の脱“富野由悠季”ガンダム。
キャラクターデザインが『マクロス』『トップをねらえ!』の美樹本晴彦。
全話脚本が今じゃガイナックスの社長やってる山賀博之。
『トップ』でも岡田斗司夫名義で脚本を書いていますね。
メカデザイナーは出渕裕。
監督の高山文彦はよく知らない(マクロスの演出家でもあるらしい)ですが、
高松信司(銀魂の初代監督)佐藤順一(ケロロ軍曹、ARIAなどの監督)など、
スタッフの後年の経歴を見ると超豪華。

と、なると、小難しい格式張ったイデオロギーとか抜きにヒューマンドラマになるのは自明の理。
映画っぽい雰囲気のアニメですね。実際に一本のロードショーを六等分したようなOVAです。
主演の浪川大輔なんて声変わりして無くて、当時は洋画吹き替え子役として超売れっ子らしかったですしね。

ポケ戦はガンダムのくせに戦闘シーンが少なくて、日常シーンだらけ。
アルとバーニィ、バーニィとクリスの距離感、そしてアルとクリス。
温かい触れ合いみたいなものが多めなのですが、それが後半になって効いてくるのですよね。
無知な一般人であるアル少年が戦争の怖さを知ることによる心の変化、
そして終盤の展開を通して戦争とはゲームでもイデオロギーや大義名分のデモンストレーションの舞台でもなく、
個人の人格も想いも磨り潰す、ただの生命の奪い合いでしか無いことの、
悲しさみたいなものが伝わってきて心に染みてくる作品ですね。

『男が男であるために、怖くても歯を食いしばらないといけない時がある』

決して強い人間ではない普通の青年であるバーニィが、
悲しい決意をしなければならなかった人間描写なんか特に秀逸で、
個人的にはF91 より、ずっとずっと素晴らしい作品でした。
全6話と短いですので、ガンダムが苦手な人にもオススメできます。

あんまり細かく語りすぎると終盤全部のネタバレになってしまいそうですので、
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2017/02/12
閲覧 : 393
サンキュー:

40

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