Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
チームで走る自転車の楽しさと世界の広がりを実感できる作品…
この作品の原作は未読ですが、キャストが発表された時から視聴を楽しみにしていた作品です。
主演東山さん…これだけで私にとっては十分視聴に値するのですが、デレマスで杏ちゃんを演じた五十嵐裕美さん、ゆるゆりでちなつちゃんを演じた大久保瑠美さんなど、旬な声優さんが出演されると知り俄然気持ちが高まったのを覚えています。
この物語の主人公は大学1年生の倉田亜美…彼女は道路を颯爽と自転車で走る女性を目にするのですが、彼女が食いついたのは乗っていた自転車の格好…
これまで見たことの無い自転車は折り畳み自転車だったのですが、そのフォルムと機能性に亜美は一目惚れしてしまい同じ様な自転車を買う事になるのですが、ショップに行ってビックリしたのがその値段…
ゼロが一つ多いんじゃ…と思わず突っ込みたくなる自転車が並ぶ中、手を伸ばせば届きそうな真っ赤な自転車と巡り合い…物語が動いていきます。
当たり前ですが、自転車はペダルを漕がないと動きません。
逆に言うと、ペダルを漕げばどこまでだって行ける…そんな乗り物の楽しさを教えてくれる作品です。
自転車を買ったら乗りたくなって…一度走り出したら見たことの無い景色が見たくなるからペダルを回す…
こうして自分の世界が広がっていく様が自分と同じ目線で描かれているから、見ているこっちも身体が熱くなります。
もちろん楽しい事ばかりじゃないです…
ペダルを回した分だけ下半身に疲労は蓄積するし、ちゃんと自身の体調もケアしなきゃいけない…
それに自転車だってトラブル無く走り続ける訳じゃありません。
自転車がトラブルに見舞われて…あれこれ手を尽くしても機嫌は一向に回復せず空を見上げて立ち往生…
こんな事は一度や二度ではありません。
それにスピードもそれなりに出るので、常に危険と隣り合わせ…
それでも自転車に魅せられた人たちは前に進むのを決してやめたりなんかしません。
それはきっと走り続けて…達成できた人にしか味わえないモノを満喫したから…
自信や誇りといった精神的な達成感もあれば、目指した地点でしか見聞きする事のできない…或いは体験をする、といった達成感もあると思います。
だから走る理由は人それぞれ…そんな多様化した乗り物が自転車なんだと思います。
でもこの作品はこれだけじゃありません…
仲間と一緒に同じ目標を目指して走る楽しみもしっかり描かれているんです。
一人じゃ踏み出せない一歩もみんなとなら踏み出せる…
苦しくて諦めそうになった時…みんなの顔が目に浮かぶからもう少しペダルを回そうと思う…
辛くて厳しい道のりもみんなとなら進んでいける…
目指すのはゴールした後にみんなで一緒に笑い合う事…
だから絶対に途中で諦めたくない…投げ出したくない…
だって、今ここで諦めたらゴールした後にみんなで一緒に笑えなくなっちゃう…
それって…誰も望んでいないから…
自転車に限らずきっとこれは何でも一緒…
だからきっとこの考えは間違っていないんだと思います。
チーム名「フォルトゥーナ」
ローマ神話に伝えられる、運命の車輪を司る女神の名前が由来…
彼女達がこれからどんな運命の車輪を回し続けるのか、気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。
オープニングテーマは、Rayさんの「♡Km/h」
エンディングテーマは、チーム フォルトゥーナの「ハッピーアイスクリーム!」
どちらの曲も好みでした。To LOVEるや蒼の彼方のフォーリズムの時も感じたのですが、Rayさんの曲って歌うのが難しいと感じるのは私だけでしょうか。
1クール12話の作品でした。
今現在、私自身は自転車に乗る生活は送っていませんが、見ていて気持ちの熱くなる作品だったと思います。
それに作画がとても綺麗…みんなで一緒に見た海岸線から上ってくる朝日に思わず目頭が熱くなったほどです。
自転車も3DCGがうまく使われていたと思います。タイヤのシポークとか一本一本なんてとても描けないと思いますし…
唯一気になったのはチーム「フォルトゥーナ」が掲げた目標まで物語が到達しなかった事です。
続編は原作で…というパターンではなく、続演もアニメで…というパターンでお願いします。