狗が身 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
戦闘を楽しむ作品。
圧倒的な科学技術を誇る火星側のスーパーロボットに対して、地球側はリアルロボットを駆使していかに攻略するのか。その駆け引きがとにかく面白い。
ただし反面、本作はストーリーに関してはあまり期待できるものではなく、実際、その内容はあまり褒められたものではありません。
主人公はあくまでもその場その場のピンチを切り抜けるだけで(最初から自分の立ち位置を正確に理解できているから)戦争という状況をどうこうできる人物ではないし、本人にもそのつもりは無い感じ。
なにより考え方がかなり達観しているからドラマ的要素に乏しい。こういっちゃなんだけど、伊那帆に期待できるのは戦闘面だけ。キャラクターとしてはそれだけでも充分に魅力的だけど。
僕が一番残念に感じたのはアセイラム姫だ。残念というか、勿体ないと言った方がいいかも。
このキャラクターに魅力がなさ過ぎる。あまりにも無力すぎて、存在感に乏しいんだよね。
事態を好転させるだけの力もカリスマもなくて、みんなに訴えかけている平和主義にしても、かなり説得力に欠けている。無垢というより、無知に思えるんだよね…。
地球との和平を望みながらもその知識はスレインから教えてもらった以上ではなく、火星側の民衆の気持ちもいまひとつ分かっていない節がある。(火星側の気持ちを代弁したのがザーツバルムである時点で察し)
なにより姫の一番の側近であるエデルリッゾが典型的な差別主義って時点でもうアカン…。
クルーテオも超イケメンボイスのわりに最初から最後まで小物感が酷かった。速水さんの無駄遣いですわ。
そんな姫を盲目的なまでに慕うスレイン君が本作一番のサイコパス。
こいつは絶対にやらかすと思ってたけど、実際そうだった。
トリルランに乱射した時からやばい奴の匂いはプンプンしてたけど、それにしても最終話でザーツバルムを助けたのが謎。僕はザーツバルムさん大好きだから、この展開は喜ばしいことではあるけどさ。
その直前のシーンで地球人に銃を向けて火星人に味方と言われたことが少なからず影響していたとしても、姫の暗殺を企て、生きているからもう一回殺すと明言してる人物を助けたうえに、いざ姫が撃たれると激昂してまた乱射するって、メチャクチャじゃないですか?
周りがクレイジーだらけな中、僕はユキさんと韻子に癒やされましたw
いやー、韻子の【ヒロインになれない感】がすごい好き。かわいいけど、ヒロイン的な可愛さじゃないんだよね~。可愛いのに。このもどかしさが凄くいい。
ユキさんのような姉はちょっと困るかもしれないけど、年上のお姉さんタイプで魅力的だよね。