「虐殺器官(アニメ映画)」

総合得点
74.2
感想・評価
254
棚に入れた
1861
ランキング
937
★★★★☆ 3.8 (254)
物語
3.8
作画
4.0
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.6

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ネタバレ

remma さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.0 状態:観終わった

現実の虐殺の歴史を知っているとさらに楽しめそう

劇場で見てきました。夜中に一時間車を運転した甲斐はあった。

原作を読んで、映画化が決まってとても楽しみにしていた映画でした。色々あって延期されたけど無事公開されてよかったです…!

{netabare}
この映画は少し未来の話です。
網膜上に地図やニュースを映し出したり、軍人のスーツに光学迷彩が施してあってほぼ透明になることが可能だったりしますが、実現可能と思える範囲です。あえて言えば空から兵士を収めて落下する侵入鞘は、地上に落ちればそのままマシンガンに、水中に落ちればくじらのように潜水したりして、使用が終われば自己分解とあまりに高機能なので難しそうですが……。

軍事用科学技術はすごいですがそこを注目する映画ではありません。言葉と、虐殺。そして人間の行動理念。歴史は繰り返される、と通り一遍の表現でなく「虐殺には共通のにおいがある(でしたっけ…)」「虐殺には文法がある」という登場人物のセリフにはぞっとするような現実感がありました。臨場感でなく、現実感です。実際の歴史上の事件が劇中で挙げられているせいもありますが、学校で習ってきた世界の戦争の歴史を思い返せば「言われてみれば……」と思い当たる所があるのです。

ジョン=ポールは、文法を利用して戦争の火種のある国のエネルギーを内に向け虐殺の起こる場所をつくり、平和で大切な人が突然奪われることのない世界と分離して守ろうとしました。
それが正しいことなのか、劇中では語られていません。主人公のクラヴィスがどう判断したのか、それも語られていません。審問に答えるクラヴィスの口の動きにどんな答えを乗せるかは観る者に委ねる、ということなのでしょう。
{/netabare}
R15+指定映画ですが、絵のグロさではなく事前知識の観点からR18+にしても良いと思います。ナチスドイツのヒトラーの台頭の背景、革命期のヨーロッパ等々現実に起こった虐殺、戦争について少しでも知っているとより楽しめる作品です。

投稿 : 2017/02/11
閲覧 : 234
サンキュー:

7

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