明日は明日の風 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
神と仕える者と人ととの不思議な関係を扱ったファンタジー…いろんな要素をつめた良作
二期分まとめてレビューします。
無名の神、夜トと、夜トの神器である雪音(ゆきね)、夜トに大きな影響を与えるJC(二期ではJK)のひよりを軸とした物語です。
夜ト {netabare}は一人の願いによって生み出された神様という設定。夜刀神とは無関係で、名前は語っているだけ。本当の名は二期で明らかになります。気分屋で豪放なところもあれば、嫉妬したり落ち込んだりととても神には見えません。5円で願いを請け負ってしまいます。実のところは大変強い武神で、大事な相手のことについては守り抜く男前なところがあります。大変魅力的なんですが、声が神谷さん、キャラデザインもなんとなく似ているので、たまに阿羅々木君と勘違いしそうなときもあります。{/netabare}
夜トの神器の雪音。 {netabare} 神器を失っていた夜トが見つけた神器です。神器とは望まずに死んだ人の死霊が、神によって導き出され神の武具のことです。普段は人の姿をしてますが、名を呼ばれると武具に姿を変えます。雪音の場合は刀になります。武具になった状態でも意識があり、神の力を高めることもあります。雪音はかなり不幸な死を遂げてしまった少年(何があったかは描かれていない)で、思春期真っ盛りのまま夜トに導かれました。そのため、一期の前半ではかなりめんどくさい子供になっているのですが、人間的に成長し、最後は自分が何をすべきかを考え、夜トの唯一の神器となっていきます。{/netabare}
ひより{netabare}は 偶然見かけた夜トがバスに惹かれそうになるのを助けに行って、体から魂が抜けてしまう体質になった中学生。その体質を直してもらうために夜トにつきまとうが、そのうち夜トのさまざまな出来事に巻き込まれていきます。とても明るく、夜トへの突っ込み役でもありますが、なんだかんだで夜トを信頼し、雪音には姉のように接し、いなくてはならない存在になっていきます。また、夜トの神としての方向を大きく変えていく重要な人物になっていきます。{/netabare}
この3人のほかに貧乏神の小福と小福の神器の大黒、学問の神である天神、最強武神といわれる毘沙門と兆麻(かずま)をはじめとする神器たち、幸福の神である恵比寿、夜トとはふるくからの縁で特定の神の神器になっていないノラなど、大変魅力的なキャラが揃っています。
一期は夜トと雪音の出会いから雪音の成長物語や夜トとは何者なのかなどについて語られます。二期は夜トを目の敵としている毘沙門との対決、恵比寿と夜トの物語といったことが語られています。物語がスムーズに流れ、特に二期はかなり熱い話になっていました。特に後半の恵比寿との話はかなり心にきます。
ノラガミですが、お気に入りの作品になりました。個人的に好みの要素が詰まりに詰まっていた感じです。八百万の神の話、バトル、少年の成長物語、ちょっと恋愛っぽい要素、戦った敵が強力な味方になるところ、悪そうな人物に見えて裏側では考え方が尊大な人などなど、てんこ盛りです。これらの要素はジャンプ系の特徴で、ジャンプ作品でないのが不思議なくらいです。似て否になるかもしれませんが、るろ剣ぽいんですよね。見ていてそう感じました。また、神谷浩史がいて妖怪の話となると化シリーズっぽさもありますし。神谷と櫻井、神谷と沢城などの絡みはけっこうきました。あとは中の人が神谷、くぎゅう、真礼など好きな作品の主人公やっている人が多いのでうれしくなりました。
いろんな要素が詰まった神様の物語。ジャンプのバトル系が好きな人にお勧めしたい作品です。