jb さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
絵本
出たらとりあえず買ってる漫画の一つ。
その漫画のアニメということで視聴している。
キャラが皆自分本位。なんだかんだで結局は身勝手に振舞う、自由なところが良い。
作画は好きな感じ。崩したパースと言うんだろうか。遠近感やスケール感を誇張した作画が多用されており、原作漫画の絵柄を抑えつつも、アニメならではのオリジナリティを確認できた。
{netabare}
殴り書きメモ
作中のあらゆる出来事が何かしらのパロディなのだろう。それ自体は良いも悪いもない。それで何を表現するかが肝要。
本作はギャグアニメだろうから、観た人の何割かが笑える様に作る必要がある。そのためには「とりあえず定番のネタを並べりゃ済む」なんてことは、あり得まい。
高度な情報化社会真っ只中のハイテクが身近なご時世、人々はそう簡単には物事をクレイジーだと評価しなくなり、大抵のことじゃ驚かなくなっている。
そんなご時世に於いて、本作は「マジでキチった作風で勝負している」とするなら、それこそ世界中のキチキチマイトなガイ君達を相手に、ヤバさを競っていることを意味している。これは、気楽に、お手軽に、イージーにやれる仕事ではあるまい。やるからには、準備も、工夫も、熱意も根気も必要となる。
本作はそうした状況の中で、結果を出している。これは事実。
それをどう評価するかは、また別の話。
原作者の先生は、洞察力が高く、計算高い方に思える。
意識せずにああいった作風でものを作れるのなら、天才と言えるのかもしれない。しかし、実際にはデータの収集と整理を堅実に行い、それらを用いて作品として再構築する際には、どうしたら狙った効果を最大化できるのかを考え抜いて、作品を組み立てている様に思える。天才的な閃きと勢いだけで作っているとは、到底思えない。
ほぼインスピレーションだけでパパッと瞬時に仕事を済ませているのなら、天才、もしくは熟達し過ぎていることになる。仮にそうだったとしても、一朝一夕で可能となる手際ではない。そこまでに費やしたコストは並大抵ではないはずだ。
*
原作の先生は、タイミングを見計らって炎上ネタを用いた漫画をアップしたりと、なかなかの策士でもある。しかし同時に、人を楽しませることが好きな、エンターテイナーにも見える。ご本人がどう考えているかは知らないが。
現に、原作の先生がアップする挑発的な内容の漫画を読んだり、そうした原作者の行為そのものを見て、喜ぶ人間は少なくない。このことは、作品のみならず、作者の行為もエンターテインメントの一部として機能している証だ。
これを書いた翌日の2/7が、本作原作単行本新巻の発売日ってのを、先ほど原作者の告知ツイートで知った。その告知に掲載されていた漫画『プペル と あいまいみー』がなかなかにキレがあって面白く、読んで若干テンションが上向いた。本作のレビューを書く気になったのは、そのためだ(笑)。
ちなみに、原作者の先生は、ごく一部から激しく嫌われているようなのだが、そんな状況すらも自身の創作物のネタとして活用していたりする。
そうした原作者先生の態度も含めて、本作は色々と面白い。{/netabare}