「亜人(TVアニメ動画)」

総合得点
74.3
感想・評価
917
棚に入れた
5005
ランキング
922
★★★★☆ 3.6 (917)
物語
3.8
作画
3.5
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

不死身同士のバトルゲーム!B級娯楽と見た方が楽しい、名悪役・佐藤さん面白い♪

『good!アフタヌーン』の漫画原作の異能バトルアクション、1期2期26話+劇場版3作あり。
「亜人」という、見た目普通の人間だけど「驚異の再生力で絶対死なない」不死身の存在を巡り、政府側や亜人のテロリストらの抗争に、主人公(亜人)も巻き込まれていく…

B級娯楽作品と見ました。「佐藤さん」という名敵役の存在感はバツグン。
フルCGで描かれる、亜人同士または亜人と人間のバトルが見所でした。
※レビューは1期2期を纏めて書きます。(劇場版はほぼ1期と同じ)

{netabare}『物語』
もし人間社会に、見た目人間だけど不死身の「亜人」が紛れ込んでいたら?
主人公・永井圭は亜人と発覚、以降、亜人を危険視あるいは実験材料にしようとする政府から追われていく…
一方で、亜人の権利を主張するテロリスト「佐藤さん」率いる亜人たちによる、人間側政府への反逆も壮絶なバトルに発展していく。

人間社会に異物「寄生獣」みたいですが、寄生獣と違い、亜人が虐げられる側。
当初は永井目線でディストピアな実態が描かれていく…
のですが、正直ここら辺はあまり面白くないです。
人間の醜さがテーマか?と思いきや、永井に共感できないのが難。
永井目線で淡々と描かれる人間の醜さも見所かも知れないけれど、面白くはない。

話が面白くなってくるのは、亜人テロリスト・佐藤さんがはっちゃけてから。
序盤に人間側の悪事散々描かれているので、(視聴者は人間ながら)佐藤さんがんばれ~!と応援したくなる。
実際、亜人の力を持ってすれば可能か!?
どうやって作戦達成するんだろう?
佐藤さんの戦略やビジョンがとても魅力的で気になりました。

本作最大の見せ場はやはり亜人の特性を最大限活かしたバトルアクション!
かつて、ここまで不死身である事を活かした作品があったろうか。
「死んだらすぐに蘇る」「でも死なないと蘇らない」ので「殺さず大怪我させたり、眠らせたり」で無力化される弱点も…
亜人側はわざと自殺してリセットしたりする亜人ならではの立ち回りがユニークな面白味を産んでました。
人間側に感情移入すると「よし殺さず無力化した…惜しい!自殺されてしまった~!」
亜人側から見ると「まずい!無力化されてしまう!よしギリギリ自殺間に合った♪」
両者ギリギリのせめぎ合いは終始手に汗握る!
「IBM」という黒いスタンド能力バトルも面白かった。
…不死身活かしたバトルは「3×3EYES(サザンアイズ)」の无(ウー)を彷彿(不死身なので自爆上等とか)
「怪物王女」の血の戦士(アニメだと規制で王族の戦士)も。
いずれも講談社作品、亜人もまた3×3EYESの系譜なのかも。


2クール目以降、政府側は獲物に過ぎず、対立軸は「永井たち対佐藤チーム」VS「佐藤さん率いる亜人テロリスト」に。
永井の動機はいまいち面白くなく、戸崎さんの落ちぶれっぷりに萌える事が多かったです。
見所の大半は佐藤さんが次何やるのかな?であった。

総じて「亜人同士あるいは亜人と人間の抗争劇」がユニークで面白い一方、「亜人と人間の在り方」とか、社会的・哲学的なテーマはいま一つ見えなかった。
なので「寄生獣」みたいな名作ではないし、SFとしてもイマイチ。
永井は少しは成長したかもだけど、見所としては地味。
序盤の友人や妹との関係も殆ど活かされていない。
…元々そういう要素に過度な期待は禁物、佐藤さんヒャッハーを楽しむB級娯楽作品として見てました。
中盤以降は終始面白かったんですが、あくまでもB級的な面白さ。
とにかく、佐藤さんが楽しそうで何よりでしたw


『作画』
本作の見所、フルCGによるバトルアクションは迫力満点!
話がB級娯楽でも、アクションだけで魅せてくれた。
一方、キャラデザはいまいち。手描きに及ばない。
下村さんは可愛く見えてくるし、佐藤さんの不気味さもCGのぎこちなさで逆によく出ていたかも。


『声優』
常軌を逸した戦闘狂、佐藤さんの怖さと魅力!大塚芳忠さんの好演が光った。
さすがヤザン!
佐藤さんの狂った魅力はほーちゅうさんならでは。

他永井の宮野真守さんなど、声優陣は豪華。
櫻井孝宏さんのテンパっていく感じが珍しくてグッド。


『音楽』
主題歌はあまりピンと来ない。
BGMと次回予告が良かった。


『キャラ』
1にも2にも、佐藤さんというキャラクターに尽きる。
未だに視聴者からは敬意をこめて「佐藤さん」とさん付けされる男。
一見物腰柔らかな初老の紳士、だが実態は根っからの戦闘狂!
ただひたすらに戦闘を楽しむ危険なテロリスト、危険だけど不思議な魅力が…。
終盤に単に遊びたいだけだとぶっちゃけるまでは、亜人の未来の為に戦う義士っぽかったので、ほぼ全編に渡り、佐藤さんの方が主人公と見てました。
2016年度の悪役で一番印象的な名悪役でした。

佐藤さんの参謀格、超有能で頼れる奥山君も中々、この他佐藤さんチームは良キャラ多いです。

次いで魅力的だった、戸崎さん。当初は悪人と思いきや…回が進む程に可愛げが増してくる本作のヒロイン格。
自己保身と大切な人の為になりふり構わず足掻く、でも次第に永井たちにもデレてくる…
人間味に乏しい亜人たちに比べ、本作で一番人間らしかった(人間だし)
後輩も意外と良い人だった辺り、本作が通して見ればそれ程不快じゃない感じ。

巨乳美人の下村泉ちゃん本作最萌でした。一途に戸崎さんを慕う健気さ萌え。
複雑な境遇を経ての戸崎さんとの関係良かった。ポンコツさもかわいい。
潜入で時間稼ぎの為に女性職員の長話に付き合うシーンかわいいw


それに比べ、主人公の永井君はいまいち共感出来ない。
いわゆるサイコパス?吉良吉影もとい永井圭は静かに暮らしたい。
次第に人間的に成長はするんですが…中途半端。どうせなら最後まで冷徹主人公で良かったし、人間性芽生えるならばちゃんと成長するかどちらかが良かったです。
佐藤さんにヒケを取らぬ狂気があるのは分かりますが、どうにも地味でした。{/netabare}

投稿 : 2017/02/04
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サンキュー:

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