赤緑 さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
好みに合いすぎて高評価だけど合わない人は合わなそう・・・老舗の温泉旅館を舞台に繰り広げられるお仕事ドラマ
(やや長め:各話コメントを除くと2,500字程度・全部で5,000字程度)
とにかく私ごのみの要素が詰まっていて、大好きな作品。
居心地がよくて、観てると落ち着く。まるで本当に旅館でくつろいでいるような気分で観られる。
アニメとしてのクオリティーは高いけど、興味のない人や合わない人にはとことん合わないと思うので、評価は分かれるだろう。
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≪概要≫
東京の女子高生が、突如として石川県にある温泉街の旅館で働くことになる。
旅館で働く女の子たちと、同じく旅館で働く人々のそれぞれの思いが入り乱れるドラマである。
仕事に対する価値観と心構えが全く異なる4人の女子高生が登場する。
≪視聴状況≫
初回はテレビ(再放送)で観てたんだけど、当時のテレビの画質がよくなかったのと、あまり視聴に集中できなかったため、それほど評価してなかっただが、観終わってからこれは高画質の環境で観るべきと思い、BD-BOXを購入して再度一気見。
最高。
レビューする前にもう一度観ておかないとと思っていたのだが、BD環境が調子悪かったのでレビューできずにいた。
やっとBD環境を新調したので再度観た。
やっぱり最高だった。
BD-BOX、家宝である。
コンパクトなところもいい。
≪物語のポイント≫
主要キャラの4人を中心に物語は進む。
でも、サブキャラの話もそれなりに出てくる。こういうのも群像劇って言っていいのかな?
主人公の少女・松前緒花が、東京から離れて旅館の仕事をしていく中で、これまであまり深く考えてこなかった仕事・家族・恋愛について気付いたり教えられたりする。
≪好きな点≫
個人的に好きなポイントをいくつか挙げてみる。
1.旅館が好き
マニアというわけではないが、私は旅行に行って旅館に泊まるのが好きで、本作の舞台となっている「喜翆荘」(きっすいそう)みたいな老舗の旅館に憧れがある。
2.女性がみんな可愛い・美人
可愛いお気に入りキャラが出てくるアニメは他にたくさんあるけど、特に気に入っているキャラじゃなくても可愛い・美人。
詳しくは後述。
キャラデザ&作画監督の人(関口可奈味氏)の作画が好きだからというのもある。
3.料理人
若いときに料理人にあこがれていた。
ただ、修行に耐えられるほど根性がないので目指すことはしなかったけど。
だから料理人の話は好き。
4.絵がきれい
安定という点ではやや劣るけれど、ここぞというときの画の美しさはそれを帳消しにしてくれる。
5.音楽
劇伴は邪魔にならない程度に地味だけど、場面にあった落ち着いた音楽が多い。
OP,ED曲はタイアップで専用の主題歌ではない(たぶん)ので、すごくマッチしているとは言えないが、雰囲気はとても良い。
OPはアップテンポな曲で、元気良く動くムービーと相まって爽快感がある。
EDは曲と映像共に落ち着いた雰囲気で和ませてくれる。
≪苦手な点≫
P.A.Worksさんの作品で描かれる人物(特に若者)と恋愛観みたいなのがちょっと苦手。
上手く説明できないんだけど、特有の痛々しさがあるというか。
若い子には気にならないのかも。
まあ、アニメには多かれ少なかれそういうのはあるだろうけどね。
ただ、この作品に関しては、このような苦手さがありつつも、それでもどのキャラもそれなりに好きで、恋愛に関しても他の作品に比べるとかなりマシなのでそんなに気にならない。
≪女性キャラについて≫
男性キャラもなかなか魅力的なのだが、やっぱり女性が可愛い・きれいというのは重要だ。
個人的な好みで言うと、菜子がいちばん好きである。地味だけど隠しきれない美しさがあるみたいなのがすごくイイ。
だが、作品の中でもっとも光っている女性は、やはり女将であるスイさんだろう。
緒花の祖母であり、歳からいっても完全におばあちゃんなのだが、
理想の女将さんだ。
CVの久保田民絵さんの名演も本当に素晴らしい。
緒花の母も、娘にビ●チ認定されるほど恋愛に積極的で(夫とは死別)、年増ではあるが「いい女」感がスゴイ。
そして、今回観ていて今までと違ったのは・・・
民子である。
もう何度も観ているのにここに来て印象が変わるとは驚いた。以前はビジュアルが黒髪ロングストレートで性格は可愛くないしあまり面白みがないなと思っていたんだけどね。
性格は相変わらずではあるが、とにかく可愛いシーンがたくさんある。
演技も、最初は浮いている気がしていたが、今ではこれじゃないとみんちじゃないって感じるようになった。
≪声優さんについて≫
細かく書くとキリが無いので、代表的な人だけ。
上で書いた通り、女将役の久保田民絵さんの名演が一番に挙げられる。
あと、緒花と菜子って、『超電磁砲』の佐天さんと初春なんだよね。でも性格が全然違うのであまりそういう感じはしない。
≪アニメである必然性はあるのか≫
こういう意見をたびたび耳にするけど、一理あるとは思う。
ただ、この作品をこのクオリティーと同等のものに仕上げるには、NHK朝の連ドラくらいのお膳立てが必要になるんじゃないだろうか。
深夜アニメだからできた企画なのでは。
色々あるだろうけど特に予算的に。私には円盤購入で買い支えるくらいしかできないが報われて欲しい。
≪余談≫
石川県には行ってみたいんだけど、北陸の中でも特に奥まっていて行きづらくて、まだ行ったこと無い。
飛行機を使えばいいんだけどこの距離で飛行機はあまり使いたくないんだよね。
北陸新幹線もできて交通の便が良くなったのでいつか行きたい。
≪総合評価≫
題材や結末については人を選びそうだし、アニメならではの面白さは弱いかもしれないが、
ドラマアニメとしての完成度は非常に高い。
点数はひいき目に付けた。
物語:
全体のストーリーは絶賛するほどではないけど
脚本と演出が特に良かったのでは。
作画:
人物が安定しない回がちらほら見られるけど、
背景はとてもいい。
キャラ原案が良かったからなのか、女性がとても好み。
音楽:
前述のとおり、劇伴もOP・ED曲も良い。(Best10・歌手編にランクイン)
声優:
前述のとおり、久保田民絵さんの演技がすごく好き。
伊藤かな恵さんも小っちゃくて元気な女の子の役が上手いね。『大正野球』の小梅とか。
キャラ:
脇役まで含めて存在感がとても強い。
≪各話コメント≫
視聴時のメモ。第9話まではメモるの忘れたので第10話から。
{netabare}
▼第10話 微熱
大好きな回。
上手く説明できないけど、「間」を使った話というのかな。
緒花は喜翠荘で居場所を見つけたことで、却って自分が喜翠荘で必要とされているのかどうかを気にするようになった。
テレビを点けたり消したり。意味があったんだ。
みんちが少し優しくなってきた。
▼第11話 夜に吼える
3話連続の話。
前編
「ぼんぼる」はこの話が初出?
緒花の「ババァ」ってセリフ、なんかイイ。
▼第12話
中編
作画が良かった。
▼第13話 四十万の女
後編
みんな美人。
▼第14話 これが私の生きる道
OP,EDが変わる。
絵・曲ともにこっちの方が好み。
折り返し地点につき、サービス回?
修学旅行、前編。
みんちの効果線付きホビロン笑える。
現実の嫌なところを突きつけられるので、あまり楽しくない。
▼第15話 マメ、のち、晴れ
修学旅行、後編。
ちょっと作画の粗が気になる。
ありえない展開だと思うけど、緒花の心意気が伝わって良かった。
個人で旅行に行くと、先に風呂に入るのって割と普通だけどな。
修学旅行の時ってどうだったっけ。昔過ぎて覚えてない・・・。
結菜が少しペース崩されて溜飲が下がる。いや、別に結菜が嫌いなわけじゃない。
普通の女子高生ってきっとこっちが普通だろう。
最後にさらなるサービスが。
▼第16話 あの空、この空
映画回前後編の前編。また現実的で嫌な話なんだよな。
作画はとても良い。
▼第17話 プール・オン・ザ・ヒル
映画回後編。
緒花が撃たれたときの伊藤さんの声、いいな。
プールサイドの無理な体勢。宮崎アニメかよ。
▼第18話 人魚姫と貝殻ブラ
菜子回。
菜子、所帯染み過ぎだろ。
両親、教育オタクかよ。めんどくせー。
おしゃれ菜子、可愛い。
「この広い野原いっぱい」いいなー。
シャレオツw
▼第19話 どろどろオムライス
文化祭前後編の前編。
これまた面倒くさい。
結菜「キャハッ」ウゼェーw
メイド服は可愛いけど。
緒花、なんだその気持ち悪い夢は。
▼第20話 愛・香林祭
文化祭、後編。
みんこを責める気はないけど、料理人なら、ある設備と材料でなんとかする方法も考えられないといけないよね。(味沢匠を思い起こした。)まあ、彼女もまだ未熟だから仕方ない。
やりたいことを見つけられても、大成するとは限らないんだから、モラトリアムも悪いことじゃないと思うんだ。
オムライス告白とか。
みんこ可愛過ぎだろ。
▼第21話 蘇る、死ね
若旦那の結婚話。
徹の残酷な言葉。
そういえば、蓮は気づいてるっぽい?
赤い教室って、心理学的に間違ってないか?
カーテンか。ドレスはレンタルの方が良かったんじゃないか?
最後、グッとくるシーンなんだけど、同時に???になる。
どういうことなんだ?
▼第22話 決意の片思い
そういえば、今時、オフィスでタバコ吸えるところなんてあるのか?
マスコミ系は普通なのかな。
昭和かよ、と思ってしまった。>さつきのオフィス
ここの緒花はなんか可愛いな。
試着、やばいな。
本人に聞かれるパターン、これは嫌いだな。
『凪あす』はこれのもっとひどいやつをやってたけど。
でも、こっちはこの後の展開が素晴らしい。ゾクゾクした。
みんこ可愛い。
なこ、凛々しい。
ドレスの元が何なのかってのは
単に挿入歌でなく、
主題歌歌ってる人がそのまま出席しているみたいな演出、いいね。
声も。
出席者の余興として。
女将がなんか思わせぶりなことを言った。
▼第23話 夢のおとしまえ
やっぱ美人だな。さつきさんは。
全然関係ないけど、『げんしけん』の咲ちゃんを思い出す。
ビッチなところも似てるし。
高嶺の花だけど、好きだわ。
駅弁は楽しいよね。
私はタイミング的に新幹線で食べてしまうことが多い。
でも本当はローカル特急で食べたい。
貴子さんもいい女だと思う。
ED前の音の演出、すげー。
▼第24話 ラスボスは四万十スイ
口抑えているポーズおかしいw
いやー、東京の景色も綺麗だよ。このアニメのは綺麗に描けてるよ。
OPにも出て来るけど、きっすいそうの遠景もいいよねえ。
『流れ包丁?』の元ネタは、『包丁人味平』か。
まあ絵がそのまんまだから分かるよね。
女将の入浴シーン、
何じゃそれー、って思うけど印象的なシーン。
御墓参りのシーンもいいなあ。
▼第25話 私の好きな喜翠荘
みんちは確かに厳しいよな。
ここにいるのだってお情けがあってのことだし。
なこ、いいこと言ってる。
「自分が走れる人だから、走れない人の気持ちがわからない。夢を持っている人に一生懸命ついていくことが夢になることだってある」
こういうのってあるよね。私も身内で似たようなことがあったからなんか分かる。
そういえば、蓮さんと巴さんって進展しなかったな。
旅館には賑わって欲しいけど、私が自分で行くときにはもっと空いている時がいいな。
三世代の揃い踏みカット。
ED曲は、もっと和風な方がよくないか?
▼第26話 花咲くいつか
最終回。
無粋なことを言うようだが、みんなで出かけてしまっていいのだろうか。
三角関係でも、こう言うサバサバしたのなら大丈夫。
> そういえば、蓮さんと巴さんって進展しなかったな。
いや、最後の最後で今後何かありそうな感じ。
バカな子ほど可愛い。
しばし感傷に浸る女将さん。
これ以上ない終わり方だ。
さすがの女将さんも溢れる気持ちを隠しきれず。
蓮さんは繊細だなあ。
{/netabare}