アリア さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態：観終わった
BGMが良い仕事をしています
この作品の話題を目にする時には必ずレムの画像や話が挙がっていたので、私は本作を視聴するまでてっきりレムがヒロインなんだと思っていました。
それほどまでにレムが主人公に、そして視聴者に与えた勇気と癒やしは絶大でした。
こんな彼女が欲しい。
そんなぐう聖な彼女に比例して、中盤あたりの主人公にはイライラさせられます。
まぁタイムリープ＋絶望もので必ず通るであろうヤケクソ時期なので、各女の子達に癒やされつつ耐えましょう。
さて、本作で秀逸だと勝手に評価している点として、15話ラスト～EDです。
私は電子音BGMよりオケBGMが好きなのでこのシーンは鳥肌が立ちました。
力強い音の響きに乗せられたどうしようもない絶望と悲しみの旋律が素晴らしく、目を閉じていても胸がぎゅっと辛くなるほど素敵です。
その上{netabare}体と跳ねられた首が少しずつ吹雪に覆われていく様が淡々と映され、赤黒い文字のスタッフロールが流れてゆく。
直接的なグロシーンよりも何倍も「ぞっとする」、絶望的な演出だと思います。
尺の無駄遣いだと叩く人もいるかもしれませんが、私はこのシーンが本作で一番大好きです。{/netabare}
そのほかにもリスポン時のいや～な声のBGM(というかSE？)がなかなか不気味さを醸し出していて良いです。
基本的に絶妙なタイミングで切ないキャラソンを流してくるので、嫌でも泣けちゃいます。
そしてそんな泣けるシーンに欠かせない涙の描写。
他のアニメと少し違う点として、大半の場面において女の子達は「笑顔で」泣くのです。
本当は辛くて泣いている彼女たちは、それでも主人公を信じたいという希望を表現するために「笑顔で」ぼろぼろと涙をこぼします。
こうした健気さがより引き立つ手法によって彼女たちの魅力はより上がるのだと言えます。
そう考えると、主人公のために一番涙を流したであろう{netabare}レムが最終話では全く出てこなかったのは、いくら正ヒロインであるエミリアを全面に押し出したかったとしても不憫すぎる…。
スバルがもう一度ゼロからはじめようと決心したのも、レムの言葉掛けあってこそなのに…さすがに酷すぎる。{/netabare}
脱線が多くなりましたが、本作はテンポもよく2クールあってもだれずに完走できました。
異世界シリアスものとして十分おすすめできる作品だと思います。
余談ですが、松岡君は役者さんだなぁと改めて関心しました。
ペテルギウスを演じた中で、松岡君は飛び抜けてナチュラルに狂ってました。
イケボな男性声優さんは多いですが、どんなキャラでも自然に演じられる松岡君は重宝される存在だと思うので、是非とも生き残ってほしいです。
