タイチョー さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
最高傑作SF
おそらく宇宙を舞台にした軍人たちの戦術戦略といったものを描いた最高傑作。
大抵のSFはいち軍人とかいちパイロットの視点から戦争を描くものが多いですが、こっちは指揮官・司令官クラスの人々の戦術など大枠で話が進むので、ある意味、戦国武将が主役の大河ドラマの宇宙版といったところですか。
政治あり戦闘あり。とりあえず登場人物が多く、話も本伝が110話以上あり、さらに外伝劇場版も含めるととんでもない量があるので、長く楽しめます。下手すると一年かかるかも。
銀河帝国と自由惑星同盟の戦いが中心ですが、それぞれの国の内乱であるとか政治の駆け引きがきっちり描かれているのが好印象です。
作風としては大河ドラマ風であるので、歴史好きはとっつきやすいかもしれない。
歴史回が特に秀逸で、ヒストリーチャンネルの歴史番組風の回があったりして面白い。特に地球の歴史がもうね、何度も見ましたよ。
描写はどちらかというと銀河帝国の方が多い。ラインハルトはもとよりその配下の部下たちの魅力的なことこの上ない。ミッターマイヤーにロイエンタール、そこに無口提督アイゼナッハとか調子に乗って身を滅ぼすトゥルナイゼンなどなど。
門閥貴族は基本アホで傲慢。なのになぜか嫌いになれない魅力があってよかった。彼らは人が持つ悪い部分が大きいだけなんです。
実質のローエングラム朝最後の皇帝フリードリヒ4世の政治に無関心に見えて実はよく世事を理解しているあたりがぐっとくる。彼は悪人じゃないんだよ。でもアンネローゼを宮中に入れるから……。
自由惑星同盟のゆるい大学のサークルのノリでヤンウエンリーを中心に話が進んでいくのが心地よかった。ヤンは勝手に周りから人材が集まってくるからね。
フェザーンの狡猾な商売人魂がよかった。したたかに策を練るルビンスキーがたまらん。
結局のところ、戦争よりもひとつの未来の人類の歴史物語と考えた方がいいかと思います。
銀河とアニメの歴史がまた一ページ。