じぇりー さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

最強の能力を持ちながらも守ってあげたくなる、かわいいよモブ。

少年漫画原作で、絵が少々独特なので一見観る人を選びそうな作品なのだが、回を重ねて観ていくうちにこの作品はこの絵でこそ成立するのだろうなと思わせる確固たる世界観がある。

主人公・モブは、ほぼ無敵と言っていいくらいの強力な超能力を持つ男子中学生。
であるにも関わらず、成績・スポーツ・ルックスといった点においての基本スペックは凡人の域を出ず、超能力も積極的に使おうとせずに、地味な学生生活を送っている。
でも年頃の男の子らしくモテたいといった願望はあり、そのために筋トレに励んでみるなど、地道に常人として努力をしようとしている姿が健気でかわいらしい。
また、意図せずに超能力を持ってしまった者として、その向き合い方や使い方に苦悩する姿も、どこか応援してあげたくなる誠実さを感じさせてくれる。

登場キャラクターの個性もことごとく癖が強く、どこか荒唐無稽で、シュールなギャグ満載のアニメなのだけれども、ただのドタバタな内容でもなく、少年漫画的なバトル！バトル！バトル！みたいな熱い展開でもなく、心理描写もしっかりとなされており少年たちの成長もきっちりと描かれている点が良い。
モブが「師匠」と慕い、除霊のアルバイトの雇い主である（その実詐欺師の）霊幻の言葉も、適当なようでいて社会人としてどこか一本筋が通っている。

とはいえ、ストーリー的にはモブが超能力であらゆるトラブルに立ち向かっていく内容が中心ではあるので、結構ハードなバトルシーンが多めだ。
どちらかと言えば男性向けか。でもモブの何か放っておけない可愛さみたいな点などは、女性ウケする要素でもあるように感じる。

音楽はOP/ED共に作品との相性も良く、かつ楽曲単体で考えても非常にクォリティ―が高いと感じたので、★5にしたい。

声優に関しては、その演技的な部分には不満はないのだけれど、キャラクターの兼ね役が分かりやすいくらいに多かったので★3とした。

全体的には非常に満足できる内容だった。もう一度言う、モブかわいい。