明日は明日の風 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
魔法使いの話なのに少年ものの要素を詰め込んだ作品…ワックワク~のドッキドキ~を感じる良作
何気に見始めた作品なんですが、すでにハマっています。
これが深夜アニメなんて、実に勿体ない。堂々と国営教育で多くの子供たちに見てほしいです(今のところ)。自分達が子供の頃に見たような、そんな感じがしてしょうがありません。
一癖も二癖もある魔女の学校、ダメダメだけど前向きすぎるほど前向きな主人公、主人公とは真逆だけどそれが良い仲間、表向きキツいけどダメな主人公を認めつつあるライバル、何か訳ありな優しい先生。キャラの設定が上手すぎですし、何だか懐かしいです。このようなアニメ、子供の頃にたくさん見たように思います。それに加え、この作品が良いのはスピード感と絵の良さではないかと思います。スピード感は子供の頃に見たアメリカのアニメや竜の子プロのような、絵の美しさは手塚アニメみたいな感じです。
たぶん、最後までこんな感じで展開していくんでしょうね。2クールあるみたいですし、毎週楽しみになっています。
【前半終了】
思っていた以上に面白い作品でした。
アッコがダメダメな子で、しかもウザイ。アッコのウザさは、かのスバルにも負けないかもしれません。これが嫌だという意見もネット上で賑わっていましたが、成長して行くのだろうと思うと、この設定も十分にアリだと思います。自分を見つめ直す、ダイアナの凄さを知る、そんな展開になってきています。
スピード感はずっと良いですね。場面転換は強引なところも多いけど、嫌な感じは受けません。むしろこの作品の真骨頂のような感じさえします。
アッコだけではなく、スーシィやロッテにも光が当てられて、より魅力が増しています。特にスーシィの回は圧巻でした。アニメらしいアニメ、このスタッフのセンスが感じられました。笑っても、途中でホロッとさせるような場面をなにげに入れてきて、本当に面白い回でした。
だんだん真に迫るような話が盛り込まれてきました。後半にはさらに盛り上がるだろうと思います。シャリオの謎(アーシュラ先生がシャリオとは言っていない…汗)、7つの言の葉とは? 何より、アッコはいつ箒に乗れるのか、非常に楽しみです。
【後半中盤まで】
{netabare}クロア先生の登場、アーシュラ先生の本当の姿、シャイニーロッドの秘密など{/netabare}いきなり物語の核となるような話をぶっこんで来たと思ったら、日常を織り込んでみたり、さらに結末に向けて謎が深まったりと、本当に面白いです。
アマンダやコンスを主役にしている回も高評価です。相変わらずアッコが絡むとろくなことがないのですか、初期のころとは違って、単なる元気で前向きなんじゃなく、考えながら行動をするようになっているところが見られるので、成長しているんだなと思えます。
とにかくこの作品のスタッフのセンスの良さには感心します。30分、まったく飽きることがない展開、ドタバタな状況からきちんとまとめる内容、遊んでいるとしか思えないところも面白いし(コンス回は前半のスーシィ回と並んで最高でした)、登場人物の色分けが見事なほどできているし、無駄なサービスシーンもないです。
いよいよラストに向かうわけですが、クロア先生の真の目的、シャリオがなぜ消えていたのかの真相、シャイニーロッドとは何なのか、そしてダイアナに何が起こったのか…まだまだいっぱいありますね。楽しみです。
【最終回を終えて】
素晴らしい作品になったと思います。何が良いって、最終回がとにかく綺麗に綺麗にまとめたことです。今の時代、なにか奇をてらって最終回なのに仕掛けたり、次をぷんぷんと匂わせて萎んだり、中途半端に纏めたりという作品が多いなか、すべてスッキリして「今まで見ていてよかった」そう思わせてくれた作品だったと思います。
{netabare}ダイアナの悩みと苦しみを感じ、ダイアナの心を救い、ダイアナを認めて、ダイアナもまたアッコを認めた回。クロアとシャリオスレ違いと過去。シャリオの真実を知ったアッコの絶望、そして立ち直り。アッコがシャリオ(アーシュラ)への感謝。そしてこれまで積み上げてきたものを存分に活かした大団円の最終回。ミサイルに向かっていくシーンはぞくぞくしました。まさかあの箒がここで生かされるとは思わなかった。{/netabare}魔法使いの少女を主人公にしているものの、中身はスタンダードな少年向けの内容という感じです。仲間、友情、努力、前向き、落ち込んでもめげない、感謝、そして勝利。本当に25話という回数を飽きずに、最後まで見せてくれたなと思います。
伏線ととらえられるものもきっちりと回収され、また、主人公が最後までぶれない点も評価高いです。
作画は最後の最後まで良かったです。動くし、迫力あるし、綺麗だしと文句つけようがありません。途中、どう見ても遊びだろうという差し込みかたも抜群にセンスがあって面白かったです。中の人たちも文句の言いようがありません。特にアッコはウザさと可愛らしさと前向きさをきっちりと表現できていたと思います。キャラの設定もまた文句の言いようがありません。残念なの主役の回を張れるキャラが多すぎて活かしきれなかったことかもしれません。ロッテもスーシーも後半は薄くなってしまい、もっと活躍してほしかったです(贅沢すぎか)。
近年まれに見るスタンダードなアニメらしいアニメ作品のような気がします。まさに「ワックワク~のドッキドキ~」を体現した良作だったと思います。惜しむらくは深夜アニメではなく、朝か夕方に多くの子供たちに見てほしかったと思いますし、いつか、Eテレで放映してくれることを期待します。