野菜炒め帝国950円 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
君の縄
色んなあるあるネタを盛り込んだ妖怪鵺のような映画。
この人の作品は決してストーリーも悪くはないんだけど(特別良くもないけど)余りに映像面が突出しすぎててそこだけ注目されがちになる悲しい宿命のようなものが多少あったと思うのだけど今回の作品は果たしてどうだっただろう。
自分のような捻くれもんは爆発的大人気と聞くと「OH!それはすごい!」より先に「本当かよ 嘘くせえ」と思ってしまうんだけどそんな自分が見てもコレは普通に面白い作品だと思った。
只、ストーリーに関して言えば一番面白かったのはヒロインが主人公と入れ替わって都会生活に色々戸惑ったりする部分であってそれ以降の展開はそれなりに楽しめたと言うのが正直な感想。
なのでトータルで見たら先に書いた通り「普通に」楽しめる良作だなと。
本来ならそれだけでも十分すぎるのだがこの映画の場合ご存知の通り異様とも思えるほどの持ち上げ方をされており人の感想等それぞれと承知はしているものの個人的にはどうしてもソレに見合うほどの面白さだったか?と言われると「うーん・・・」てなってしまうのである。
宣伝文句なんてもっと酷かった。
「全米が号泣」クラスの大げさでうそ臭い文句がずらり。
こんなん援護射撃のつもりが味方にミサイルをバカスカ撃ち込んでるようなもんでしょ。
これには総統閣下もお怒りになるようです?
つまりハードルが無茶苦茶上がってしまってるんだよね。作品に対する。
だから普通に良い作品なのにあたかも神の作品であるかのように期待してしまった人たちが「思ったほどでは無かった」みたく言ってんのかなと。
ところで密かに新海作品ファンでもある自分なんだけど今回の「君の名は」を視聴して微かな違和感を感じずにはいられない。
確かに楽しめはするが何かが足りない。
そう。個人的には大好きな要素であり新海作品に最も求めて止まない「切なさ」という要素がいまいち薄い気がしてならない。
あのラストで2人が偶然出会ってから先は描写はされてないものの、いくらなんでもあの後「じゃあの」と即別れたとは考えられない。つまりはハッピーエンドなのである。そう完全無欠のハッピーエンド。とどのつまりハッピーエンド。
カイジ「出会いそうになったら・・・スルーだろ・・・!
切なさに進むのが 気持ちのいい新海作品ってもんだろ・・・!
仮に大・・・大衆受けしなくともだっ・・・!」AA省略
とまあ、無茶苦茶な自己中要求しとりますが。
でもまああのラストだから一般的に受け入れられた部分もやはりあるんだろうしこの辺りは難しいね。
個人的にはやはり過去作にあるような切なさはどうしても欲しかったんだけど。
なので同じ新海作品ならあくまで個人的には記憶に残り続けるのは秒速であり言葉であり君の名は楽しめはしたけど多分後に残るものはそこまで無いのかなと思ってしまうわけで。
つまりまあ・・あれだ。
新海さん次があるなら今度こそ超ド級の身もだえするような切なさ要素を盛り込んでトラウマ植え付けちゃって下さい。
お願いしまーす。
ところでヒロインの三葉可愛かったよね。