shino さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
胎動が聞こえる
宮崎駿監督作品。
自然と文明・人との共生を問い、
禅問答のようにテーゼは肯定され否定される。
原作は漫画史に残る傑作でしょう。
その問いかけは「もののけ姫」まで続く。
「火の七日間」と呼ばれる戦争により、
都市群は崩壊し地表は有毒の瘴気を発する、
巨大菌類の森、腐海に覆われていた。
風の谷、そこは海からの風によって、
かろうじて腐海の汚染から守られている小国である。
ここにあるのは人間の業である。
聖なるものと穢れたものとの闘い。
そして巫女としての少女の救済。
宮崎駿監督の胎動がここにあります。
蟲と語り、風と戯れる少女の優しさは、
時として勇敢さによって支えられている。
生命とは清浄と汚濁である。
それでも寄り添い生きていくしかないのでしょう。
語り尽くせはしない壮大な物語だ。