たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
完全版を制作する意味はあるのか?
個人的には2016年のアニメの中では「君の名は」なんかより遥かに面白かった。(無論、「聲の形」もそうだが)
原作漫画は残念ながら未読。何度も繰り返し見たくなるアニメかといえば首をかしげるが、
いわゆる宮崎駿や湯浅政明などの天才的な技術があるアニメというよりは、細かなところまで目の行き届いている「職人」のアニメである。
実際に片渕監督は、舞台となる広島の呉の街に何度も赴き取材し、当時の街並みや人物をくまなく再現したとのことで、その努力の結果が画面の現実的な説得力になっているのだと思った。
あと、なんといっても主人公すず役の「のん」の演技が凄まじい。完全に憑依しているとしか思えないほど、あるいは本人がそのまま本人役として演じているような気に思えてしまうほどぴったりだ。一番の驚きである。
話の内容に関しては、第二次世界大戦末期の日本ということなので当然、戦争の悲惨さが描かれているのだが、実はその世界のほんの片隅に存在する普通の人たちを描いているという。。まさに究極の「日常系アニメ」である。
なんでもキネマ旬報では2016年ベスト映画一位を獲得したとのことで、「となりのトトロ」以来、28年ぶりのアニメ作品だそうだ。
※余談ですが
ニュースで劇場版より30分長い完全版製作決定との触れ込みでしたが、果たしてそれは意味があることなのでしょうか?確かに原作を省いたところは結構あるので人気もあって製作されてもおかしくはないですが、この内容以上のものは得られないとの直感です。
と、いうよりもその予算を若手育成にまわさないと本当にアニメ業界潰れるんじゃないでしょうか?