Mightier P さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
2010年代代表のSFサスペンス
【まとめ】
攻殻機動隊SACシリーズと比較対象に上がるのはスタッフが意識していたこともあり仕方のないことですが、SACと似ているのは近未来での公安部門メンバーが主役といったところでしょうか。EDで明らかにオマージュがなされていますが本質は浦沢氏のMONSTERに近いです。
【キャラクター】
本作に登場するキャラクターは良い意味で個性豊かで嫌みがなく、ストーリーにうまくからめられていたように思います。MONSTERのヨハンよろしく一人のカリスマ性を持つボスがいるわけですが、魅力あふれるキャラクター性を持っています。
【シナリオ】
男主人公と相対する敵が完全悪というわけでもなく何が正義なのかをこの作品の世界観において問いただす役割を持つとともに視聴者に強いメッセージ性もあります。シビュラシステムの是非、人間のあり方それらそのものに疑問を抱きつつも友人の敵として最後まで敵を追い詰めていく主人公の生き様は少年漫画的でもあり、とても心地良いところがありました。
【ストーリー】
シビュラシステムがスタンダードになっている世界観そのものに突込みを入れだすと本作は全く見れなくなってしまうのですが、一つのSFファンタジーとしてこの設定を受け入れられればそこから先は内容豊かな刑事サスペンスです。人が人らしく生きるということはどういうことか、人は自分の意思で生きることをやめ善悪をすべてシステムの管理による安心の中に捨て去ってしまうと何が起こるのか。あくまで原案者の推測によって成り立っている物語ですが、これもひとつのifなのでしょう。あまり否定するところはないのですが、変にスタッフがSACシリーズを超えるだのなんだの言わない方が良かったのでしょう。