どらむろ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
自殺者の背中を押す死神少女の、切なくも優しい物語。セリフ無しのPVですが、素晴らしい!
シライモトヒロさんの歌「スーサイド・バラッド」のPVアニメです。約4分。
セリフは無く、歌と映像で物語が紡がれる感じ。
セリフ無しの短編ながら非常に分かり易い内容で、とても感動的でした!
これはもっと評価されていい良作なんじゃないかな!?
…天地人さんのレビューで知りました。
ほんとこの人、新旧の思わぬ良作拾ってくださいますねぇ。
ちくしょう!「しにがみのバラッド。」で大泣きした私はこの手のタイプに弱いんだ!
{netabare}『物語』
少女(不可視、多分、死神?)が、背中から黒いオーラ出している人間(自殺しようとしている絶望のサイン?)の背中を押して、自殺を後押ししていく…
彼女は、そういう存在なのだ。
無感情に淡々と死の後押しをする少女であったが、ある日、ひとりの男性の行動を見て、変わっていく…
やがて少女が知った、悲しい事実。絶望する男…後悔し、悲しむ少女。
ラスト、少女は何と言ったのだろうか?(多分「ありがとう」かな?ベタだけど。「ごめんなさい」かも?)
…そして物語の結末は…ベタながら涙腺崩壊でした。
セリフ無しですが、主題にベストマッチな歌(本来この歌がメインなんだから当然か)に合わせて淡々と物語が進む。
元ネタの歌に対する予備知識が無くても、本作のみで物語がしっかり伝わってくる作りが良質でした。
時系列の構成も上手い。歌と映像をシンクロさせて、素直に物語に引き込んでくれる。
僅か4分で、少女と男の境遇や心情が繊細に、完璧に伝わってくる。
セリフが無いので細かい設定は分からずとも、視聴者に想像の余地と余韻を残してくれる。
細かい設定が分からないとはいえ、極めて分かり易いドラマなので、少女の心情を慮るのは容易でしょう。
細かく見ると、花言葉などのメタファー多用する事で、情報密度を上げているので、サラっと観て分かり易く感動→じっくり観て更に良さが分かるオイシイ良作でした。
総じて良質な作りで分かり易く感動的。素晴らしい短編アニメです。
もしPVでなくきちんとしたアニメだったら…かなり感動作になる高いポテンシャルを感じる。
でも「プラスティック・メモリーズ」が1クールで微妙だったし、90分程度の劇場版アニメがベストかも。
余談。
タイトルやコンセプトから「しにがみのバラッド。」と重なります。こちらも地味ながら感動的です。
「ニンジャスレイヤー」のニンジャ、スーサイド=サンも思い出したw
アニメイシヨンでもソニックブーム=サンにシゴかれてたり、ヤモト=サンと少し交流ありましたっけ。
『作画』
ラビットマシーンさんいう方が自主制作した模様。これは素晴らしい。
陰鬱だが美しい背景、結構可愛い少女のキャラデザ良い感じ。
映像芸術として非常に分かり易い構成が光る。
花言葉やメモ帖、少女の衣服など、視聴者に必要な情報は4分間に過不足なく盛り込まれている。
『声優』
セリフ無し。
『音楽』
シライモトヒロ氏の「スーサイド・バラッド」良い曲でした。曲単体では特に好みという程でもないですが、映像との相乗効果で感動させてくれる。
『キャラ』
死神(とは明言されてませんが、多分そんな存在でしょう)の少女ちゃん可愛かったです。
何の疑問も感じず人間を自殺させてきた死神ちゃんが、人の死の絶望を知る…
あぁ^~死神ちゃん切ないんじゃぁ^~
男は善意と勇気ある、人として尊敬に値する。
母親が自殺→自分も…orange…うっ
キャラ評価は迷う所ですが、セリフも名前も無いので、物語の一部と見ます。
(実質、物語評価と同じって事で){/netabare}