タケ坊 さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 1.5
状態:観終わった
青春王道系のバンドアニメとしては観れても恋愛モノとしては駄作
☆物語&全体の感想☆
恋愛ものの作品を作るって実はかなり難しいことだなぁと、今更ながら思う今日このごろ。
数えられないほどの恋愛物語が今まで作られ、
(日本だと「源氏物語」が最初かな?)
正直視聴者が新鮮さを感じるような斬新な展開なんて、
そうそう簡単には作れるはずがないんですよね。。
肝心の本作はどんなアプローチを採ってきたか?というと、
これでもか、というくらいのベタさと、こてこて感が満載の設定で、
使い古され手垢にまみれた...と形容するのがぴったりな昭和臭を感じるもの。
観てるとちょっと笑っちゃったり、恥ずかしいと感じる場面は多数笑
なんだかホワイトアルバムの1と2の設定どっちも借りてきた、みたいに感じるのは穿った見方でしょうか。。
まぁそれでも原作は「少年マガジン」連載の少年誌ですから、
テンプレ作品であっても、そこはとやかく言うつもりはありません。
まぁ、言ってみりゃ「吉本新喜劇」みたいなもんで、
コッテコテで展開もベタだけど、笑えりゃいい、みたいな笑
恋愛モノ自体が嫌いじゃないっていうのもありますけど、
どんだけお約束的な展開をキッチリ出来るか、っていうネタ的に観てました。
だがしかし...この作品は過去の王道恋愛モノに比べると、ハッキリ言ってかなりお粗末な出来と言わざるを得ません。
そこそこ好意的に観てたのは9話くらいまでで(それも突っ込みどころに目をつぶった、かなり甘めですが)
10話以降からの展開は取ってつけたかのような...茶番臭さやご都合感が否めませんでした。
どうやら原作からの改変で、1クールでどうにかキリの良い感じに終わらせようとした結果のようですね。。
この原作者の作品、以前の「君のいる町」もそうでしたけど、
結局原作を売りたいために適当に作ってる感、がどうも観ていて良い印象がしませんね。
なぜ茶番臭がこれほどするかといえば、三角関係を題材にしておきながら、
その部分の描き方が雑で、特に風夏と主人公の心情が見えてこないから。
なので、風夏がただの痛いキャラにしか映りませんし、
主人公の気持ちにもさっぱり共感できません。
それなりに楽しめたと思える点は、序盤~中盤のコテコテなテンプレ展開やラッキースケベ、
バンドで青春、ってところになるでしょうか。
しかしながら、正直三角関係を題材にした「恋愛作品」としては作りが甘いと言わざるを得ません。
☆声優☆
風夏の母親がちょっと演技に棒っぽさを感じる以外は特に不満なし。
風夏や小雪の歌も良かったと思います。
やはり、はやみんヴォイスは癒やされますね。
☆キャラ☆
主人公と風夏のお互いを思う恋愛感情が、
心理描写が不十分なために殆ど伝わってきません。。
主人公がなぜ小雪ではなく風夏でなければダメなのか!?さっぱり提示されていません。
風夏が主人公に惹かれる過程もどうも腑に落ちない。
小雪といちゃついてるのを見てやっぱり私も、って?
う~ん、弱いなぁ。それまでの出来事からも心情を推し量るには不十分だと感じます。
それでいて終盤の風夏のあの行動...やはり突拍子もないように感じたので、
最終話のお互いの気持ちを伝える場面も、こちら側の気持ち的に着いて行けず、まるで感動できません。
また、三角関係を描く物語でありながら、まったく三者間の緊迫感がなく、
三角関係モノの醍醐味であるドロドロ感も味わえず。
この点が一番致命的ですね。
唯一幼なじみの小雪の心情はまだ理解できるものの、
今までずっと好きで、芸能人としてあれだけのことをやっておきながら、終盤の潔さには納得がいかないですね。
もっと必至にしがみついて格好悪い無様な姿を晒すくらいじゃないと。。
☆作画☆
全般的にキャラデザインなど含めて特に不満無く観れましたが、
バンド演奏時の躍動感がややもの足りないように思えます。
☆音楽☆
やはり音楽系の作品だけあって、この要素が一番評価できるところでしょうか。
OPの高揚感が作品の内容を期待させる、なかなかの楽曲で、EDの相性も良かった。
挿入曲もメインヒロイン2人が頑張って歌ってましたね。
それに比べるとBGMはやや地味な印象を受けました。