素振りをする素振り さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
物作りにかける情熱
この作品は辞書を題材にした地味な物語ですが、物作りへの思いや情熱が伝わってくる良作です。実写映画版も観ましたが、私個人の意見としましてはコチラの作品は映画に引けを取らない、いや、それを上回る作品だと感じています。
ストーリーを物凄く省略すると大体こんな感じ↓
とある出版社の営業マンである主人公「馬締光也」は、名前の通り真面目な男ではあるが、営業のいろはを心得ていない不器用者である。
ところがある日、そんな彼に転機が訪れるのであった。
それは人員不足の辞書課への転属である。だがしかし、それは無類の書物好きの「馬締」にとっては天職であったのだ。何故なら彼は「言葉」を大切にする人物であるからだ。
そうして新しい辞書である「大渡海」制作に携わることになるのであった。
職場での人間模様や様々な出来事、そして下宿先での衝撃的?出会いの末結ばれる「香具矢」との恋物語。
そうして、転属から13年目にしてようやく「大渡海」を完成させることが出来た!
だがしかし、辞書作りはこれからも終わらない。fin...
・・・みたいな感じです(笑
物語のエピソードで特に印象的だったのは、辞書に使う紙を作っている製紙会社の営業マンの話でしょうか。努力を重ねた末、ようやく製品化出来た時の話は見ているこっちが涙が出そうになりました(笑
あとは「香具矢」さんへの恋文の話は爆笑ものです(笑
櫻井さんと真綾さんのお二人の演技が素晴らしすぎなので必見です。
私の職業は大きな物を造る仕事ですが、まだ20代の頃に私自身が完全に一人で施工管理し、自他ともに認める良い物を造った時の感動を思い出させてくれました。
・・・私にもまだこんな気持ちが残っていたなんて、、、なんつって・・・
最近の私は、図面通りの物を造るのは当たり前でいかにして利益を出すか、と言う所にしか観点を置いていなかったので、物凄く新鮮な感じがしました。そんな気持ちを呼び覚ましてくれる良い作品でした。
あと、余談ですが、まだ学生さんでこれから就職すると言う方にはおススメな作品だと思います。
大小に係わらず物を造る(作る)と言う仕事は、大変だし地味だし、思いも掛けないありとあらゆるトラブルが付いて回りますが、それを一つ一つ乗り越えた時に希望が見えてくるものです。そして完成した時の感動や達成感は、造った(作った)者にしか分かりません。
せっかく物作り日本に生まれてきた皆さんなんですから、若さの無駄遣いはせずに共に頑張りましょう~、と言いたかっただけでした、、、作文(笑