蒼い✨️ さんの感想・評価
3.2
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
フィクションだとは理解しているのですが。
【概要】
アニメーション制作:プロダクションアイムズ
2016年4月 - 6月に放映された全12話のTVアニメ。前・後編が収録されたOVAも発売中です。
監督は、信田ユウ。
【あらすじ】
日露戦争の後に豊富な海底資源を発掘した結果、日本は豊かな国になり、
国家戦略を外征から内政重視にシフトして世界大戦から逃れていたり、
メタンハイドレートを採掘し続けた影響などで、
空洞化したプレートが歪んで日本列島の陸地の何割かが水没してしまったという、
我々の知る近代史とは異なる歴史を辿ってしまったIF世界。
人類が飛行機の発明に失敗した、日本は海上都市国家になってしまった等の影響で、
世界の交通手段の主役は船のままであり、
日本の海を船で守るのが憧れの職業となっている。
通称“ブルーマーメイド” 巨大戦艦や巡洋艦など大小様々な艦船で編成された組織で、
戦争に使わないという諸外国への意思表示で、乗員は全員女性。
そして、「横須賀女子海洋学校」
“ブルーマーメイド”を養成する学校。
主人公・岬明乃は、その学校の新入生で総員31名の教育艦「晴風」の艦長。
未成年の新入生である31人の少女たちを待ち受けていたのは、
誰もが予想をしていなかった航海の安全を脅かす、
いや、それどころか日本のピンチと言っても過言ではない大事件であった。
【感想】
軍事+美少女で、『ガルパン』『艦これ』の後追い企画っぽいのですが、
『ガルパン』の軍事考証を担当した鈴木貴昭が『ハイフリ』の原案を作成し、
シリーズ構成の吉田玲子がこっちでも同じ役職担当ということで、
『マクロス』に対する『オーガス』
『ストライクウィッチーズ』に対する『ビビッドレッド・オペレーション』
に位置する作品。
オーディオコメンタリーで度々触れているように、
艦艇と海面の描写への拘りが強い映像が特色のようです。
『ガルパン』が戦車による陸戦なのに対して、
『ハイフリ』は艦船による海戦がメイン。
それ以外にも、『ガルパン』との違いを設定に盛り込もうとしてた感じ。
人が死んだり怪我をしないように配慮された戦車道というファンタジー設定、
戦う理由は試合だからという『ガルパン』に対して、『ハイフリ』ではガチ戦闘!
ガチ戦闘なのに、訓練を受けた自衛官じゃなくて、
一定の教育を受けているものの未成年の女子高生が戦っているという事態にわだかまりを禁じえません!
学徒出陣のご時世でもあるまいにです。
実弾を伴うガチ戦闘で砲弾を撃ち合っているのに、
誰も負傷しないですし、せいぜいかすり傷程度というのもご都合主義ですね。
非常事態で想定外のケースとはいえ海上自衛隊や海上保安庁じゃなくて、
女子学生に海を守らせている背景が世界設定にあるのですが、
大人は会議室で議論したりしてるだけで実際には重要な決断を下せずに、
女子供に現場での判断を丸投げして海の安全を守らせているというのは、
大人の男が無能で無責任な存在にしか見えず、女子供の活躍の引き立て役。
それが当たり前のように描かれているという世界観に抵抗がありますね。
未熟で甘ちゃんな主人公・明乃の艦長としての資質が疑われる言動は、
その是非はともかく彼女がまだ一人前でないからと納得できるのですが、
そんな小娘に判断や苦悩を全部押し付けて、
ただ会議室に閉じこもっているだけの大人たちにイライラして、
あまり面白くないアニメでしたね。
ちゃらちゃらした女子高生たち>>>>>>小田原評定をするのだけがお仕事の男性の高官たち
この世界の大人って一部を除いて本当に無能でクズ。
事態の解決に全く貢献していませんしね。
正式なブルーマーメイドの女性たちも、現場の判断で戦うだけ高官たちよりマシですが、
実戦では初心者から大して日がたってない「晴風」の女子高生に劣る実力しかないですし、
主人公たちの引き立て役でしか無いのが同じですね。
作品のコンセプトを全否定しかねないかもしれませんが、そういうところが好きじゃないですね。
戦闘はシリアス。日常はコメディ。
このアニメは鉄板な構成かもしれませんが、
真面目なお仕事なのに、一人芝居ばっかりしてる娘を始めとして、
「晴風」乗員らのちゃらけ具合が妙にイラつくっていうか。
大体にして、キャラが多すぎて31人のひとりひとりを把握しづらいのも作品としてマイナスになっているような。
実際に自分は海を守るお仕事をしているわけではありませんが、
アニメ制作に海上保安庁の協力を得ていながら、
海を守るお仕事を虚仮にしてるの?かのような印象を薄っすらと受けるアニメでした。
これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。