じぇりー さんの感想・評価
3.0
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態：観終わった
主人公にもっと味付けを！ワンパターンな戦闘シーンにもアクセントを！
分割2クール作品なので、こちらにまとめて感想を。
宇宙もの、戦争もの、ロボットものに分類されるであろう本作。地球人と火星人(元は地球人)の争いを描く。
地球側、火星側それぞれに主人公格となる少年があり、その板挟みに合うような構図で平和を願う火星の帝国のお姫様が存在する。本作はこの3人を軸にして物語が展開される。
まずは、火星からの侵略に抗う側、つまり視聴者の目線からいけば「善」の方の地球側の主人公、伊奈帆の無表情・無感情ぶりがいただけない。
冷静で頭脳明晰なキャラクター感を出したかったのかもしれないが、結果的に全然感情移入できないキャラに仕上がっている。
地球側のキャラクター達は登場時から既に一体感があり、それぞれの人間関係やドラマ性も薄い印象。
対する侵略者側、いわゆる「悪」の方の火星の主人公・スレインの方が姫への思慕、戦いへの葛藤、次第に見せ始める野心など、回を重ねる毎に様々な複雑な感情を見せるようになり、火星側のストーリーの方がより注目できる内容に仕上がっている。
また戦闘シーンもワンパターンと言わざるを得ない。
ほとんどの戦闘が、火星側の貴族の乗るロボットが高性能すぎるが故の無双状態で、地球側の凡庸なロボットが束になってかかってもあっさり負けてしまうという状況に、さらに練習機という超原始的なロボットに搭乗した主人公が、その冷静な分析と判断力で見事に無敵に思えた敵のロボットを倒していく…という構図。
次々と敵が現れて息つく暇もないはずの地球側のピンチも、こう何度も同じパターンで敵を退けられていたら、正直見ていて飽きてしまう。
と同時に、「今回もどうせ勝っちゃうんでしょ」と先の展開も読めてしまう。
作画は良いが、それ以外に特筆すべき良い点が見つけられなかったアニメ。残念。
