猿の尻尾 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「彼女達」は今、かけがえのない「青春」を生きている
10年前までは全国大会常連だった北宇治高校吹奏楽部。今では見る影もなく弱小高になってしまい、部員達の意識も全力とは程遠い。
そんな高校に本作の主人公である黄前久美子が入学。そしてその年から新たに赴任してきた顧問の先生により、落ちた強豪が徐々に過去の威光を取り戻していく。
こんなふうにこの作品のあらすじを書いてみるとありきたりなスポ魂モノに見えるでしょう。
所がどっこい最初の何話かを視聴してみればすぐに気がつきますがこの作品、なんか重い!!
人と人の間に流れる空気、でしょうか、とにかく重い。
画風が可愛らしくギャグ顔なども多様しているので普段は気がつきませんがふとした瞬間に息苦しさを感じている、なんてことが多々ありました。
それはどこかで感じたことのある、身に覚えのある息苦しさ、だったんですよね。
そして後半になるにつれて分かってくるんです。これは青春の息苦しさだと。
そうなんですよねぇ青春って何かとキラキラした印象を受けがちですが、青春ってつまり思春期の少年少女が同じ空間で活動しているってことですから、キラキラもあればドロドロもあったんですよね。
もちろんそれだけではく、部活モノには付き物の「努力」の描写も逐一細かくて凄まじいです。これがまた息苦しいんですがね、それだけリアルなんですよ。原作の持つ力なのか京アニの力なのかはわかりませんがとにかくリアルです。
それと忘れてはならないのは演奏描写。これは間違いなく京アニの底力でしょうがとにかく綺麗に良く動く。
というか何よりこの緊張感は何だ。これは本当にアニメなのか。なんて思ってしまいました。
また私の人生にかけがえのない宝物が増えたことに感謝です。
青春の真っ只中を生きる彼女達の愛おしい成長の数々を見てみたい、と思ったそこのあなた、決してこの作品は裏切りません。
是非、ご視聴をおすすめします。