退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「なんですか、コレ?」(イイ意味で)
キャラ受けのみのテンプレアニメと違い、今回もチャンとしたイイ仕事してくれました「京アニ」。
作画は全て丁寧・吹奏楽部なので音質もこだわり、演奏の指先やカットのドラマチックな演出も丁寧で見事。
キャラの意味深カットも多用しててよかったです。
関西大会、全国大会の流れの中で起こる様々な事件(問題)にヒヤヒヤさせられたり、若者ならではのモヤモヤした葛藤・人に言えない苦しさも良く表現していると思います。
抜きんでたトラブルや、あざといハプニングがなく「現実」にあるようなドラマ感が良かったと思うのですが過度な期待を京アニに求めて視聴してた方はちょっとガッカリされてるようですが。
背景も宇〇市街っぽい街並みや京都天が〇メモリアル公園っぽいところが写ると近場の地元民としては嬉しかったりします。
今回は、{netabare}
【みぞれと希美。話し合えば分かり合えたのにお互いの勘違いで話し合える空気が出来ずズルズルと時間がたってみぞれが精神不安になっちゃった問題】
【久美子の姉、麻美子。自分の影響とはいえ吹奏楽を続ける久美子を見て触発されたか大学在学中にもかかわらず本当になりたかった美容師になる為に大学を辞めると家族に切り出して黄前父が激怒して混乱する「黄前家」問題】
【田中あすか。全国大会の前だというのに受験勉強の為に母親から退部させられそうになる問題】
【滝先生に子供の頃から片思いの高坂麗奈。実は結婚していて5年前に奥さんを亡くされていること知った久美子は麗奈に気を使って言えず、麗奈はそのことを後々に知って教えてくれなかった久美子に対し立腹してシカトしちゃった問題】
と見どころ満載の青春ドラマ。
初めて気づいたのですが、久美子のモノローグって小説の文章みたいですね。
久美子については劇中であすかが殆ど代弁してくれているのでもう何も言うことはありません。
「誰かの為の特別」であっても「全体の為の特別」にならない・目立たない・率先して解決しようとしない・悪ノリしない・目立たない・変にはしゃがない・どこにでもいそうな「普通」感がよかったと思うのですが、主人公らしくないといえばらしくなく、面白くないと感じて好感持てない人も結構いるようで。
あすかについては劇中で久美子が殆ど代弁してくれているのでもう何も言うことはありません。
勉強もできてユーフォも上手く吹けて人間関係を鋭く見抜く洞察力と采配する技量。面倒見も良さそうで後輩から見れば万能な先輩なのでしょうが、如何せん上から目線に余裕の態度・真面目な話もすぐ茶化そうとするし人の心配をよそに人知れず根回しする狡猾(腹黒)さ、決して本音や弱さを見せないとこが全然、全然、ぜぇ~んぜん可愛くなくて腹立たしく思いました。
1期目から喉に残った魚の骨みたく気になってたのですが、あんな性格になっちゃったのは超強気で超ヒステリックで超寂しがり屋のお母さんのせいだったんですね。なんとなく納得しました。(自分は「シッカリ」しなくちゃならない。母の様にはなりたくないという反動か?)
苦手な年上お姉さんとしてあすかと姉・麻美子を重ねる久美子。本当は大好きなのに離れて判る寂しさ。電車の通学時の思い出し泣きは私も経験あるので面白い演出でした(ボーっとしてると不意に変な記憶がつながるんですよね)。
数年後、彼女らはどんな思い出話をするのだろう。ふと、そんな一人妄想してしまいそうな美しくも切ない青春ドラマをありがとう「京都アニメーション」。{/netabare}
皆さんは響いたでしょうかユーフォニアム?
2017年は打って変わってコメディですか。ドラゴンでメイドですか。