DEIMOS さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
世界名作劇場の最高傑作。
大河アニメこと世界名作劇場シリーズの晩年の名作。
原作は「黒い兄弟」、ミラノの煙突掃除として売られた少年ロミオの友情を描いたもの。序盤は、身売り、ミラノへの旅、引受先の家族からのいじめ等、少女コゼットを彷彿とさせる不遇の連続。その中でもひたむきに生きるロミオの人間性が強調された。中盤、不良グループとの抗争に巻き込まれる話は、イタリアを舞台にしているということもあり、さながらゴッドファーザーを彷彿とさせる。ここで仲間との絆を深めるエピソードが続いた。後半は、親友アルフレドの痛快な復讐劇の中で、ロミオがリーダーシップを獲得していく様が印象的。
総じて、テンポの良いストーリー展開と安定した作画・演技が好印象。井上鋭氏などが安定の作画を支えた。結果、途中で飽きることなく、一気に全話視聴できた。33話と、世界名作劇場の中では比較的短い構成であったことも、かえって見やすくなっていた。無駄なシーンがない分、下手な大河ドラマよりも面白い。
視聴後には、青い空のような、妙な爽快感が心に残る。そんな、心が洗濯された気分を与えてくれる良作だ。