丸米 さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
うーん。良かったけれども敢えて
周りの評価があまりにも高いのであえて批判的なレビューを書くことにしました。
新海誠作品をちゃんと映画館で見たのは初めてだったのですが、正直なところ何も響きませんでした。
良かったところを敢えて挙げるのであれば、口噛み酒のシーンと幻想的な作画だと思いますが、所詮目くらましにすぎないのではないかと私は思いました。
もちろん、いわゆる「アニメオタク」ではない人たちから大きな賞賛を受け、アニメーションの懐の大きさについて一般に知らしめたことについてはすばらしい功績だと思いますが、私自身は、結局作品として何を伝えたいのかが全く伝わらなかったのではないかという印象を受けました。
テクニックの面では特筆すべきことはたくさんあるとおもいます。作画も演出もとても素晴らしかったと思います。新海作品は初めて見たのですが噂通りのクオリティでしたしここまでの絵を作れるのは本当にすごいことだと思いました。しかし、あまりにも「一般ウケ」に近寄りすぎてしまったがために失ってしまったものもあるのではないかな、と思った次第であります。
私自身は、作品の価値というのは、見終わった人が何か一つでも認識が揺るがされる、そんなことで定まるのではないかと思っているのですが、(私は)この作品では何も感じませんでした。作画や一般ウケというのももちろん大事な要素ですけれども、必ずしもそれで人の心に残る作品が出来るわけでは無いと思います。
私の感性が鈍いだけという指摘もあるかもしれませんが、少なくともこういう考えで見ていた人間がいたのだと思っていただければ幸いです。