てけ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
みーんな楽器
原作未読。
吹奏楽部を舞台とした青春群像劇。第2弾。
よりドラマチックになって帰ってきました。
最終話は涙腺にキました。
{netabare}タイトル回収{/netabare}とかベタだけど良すぎ!
前回は演奏風景が多く描写されましたが、今回は控えめ。
全員一致のサクセスストーリーを期待して見ると、ズレを感じると思います。
特定のキャラクターを掘り下げて見せることが重視されています。
私は久美子の低血圧キャラが大好きです。
1期よりテンションが低いゾ。
だからこそ、感情的になるシーンとのギャップが際立ちます。
しかし、主役っぽいかと言えば、やっぱりそんなことはない。
名脇役を追っている感じがします。
{netabare}
「ユーフォっぽい」
ユーフォニアムは低音も高音も担当するので、どこにでも収まります。
そして、活躍するのは吹奏楽やオーケストラなど、周囲の楽器と一緒の時。
一方で、どこにでも入るがゆえに、どこにもなくても回ってしまったりもします。
そのようなユーフォニアムの役割と、久美子の役割を被せているのでしょう。
{/netabare}
なお、1期同様、中心が曖昧な作品でもあります。
「成長、友情、恋愛、成功、さてどれを見せる話でしょう?」と聞かれても困りますね。
それに加えて、キャラクターも非常に多いので、ドラマが分散します。
1期で目立ったドキュメンタリーっぽさはこれが原因でしょう。
「色んな要素を楽しめる!」と捉えるか。
「散逸していてしっくりこない!」と捉えるか。
そういえば、この作品は、カメラのピントが極端です。
右目に焦点を合わせたら、左目や髪の毛がぼやけるほど。
「今何に注目しているか」というのを強く意識させる目的なのかもしれません。
単に色んな要素を詰め込んでいると考えるのは簡単です。
ただ、{netabare}久美子と同様に、{/netabare}キャラを楽器に、作品を合奏に例えているとも考えてみるのも面白いです。
合奏は、楽器ごとに聞くと、まったく異質なものに聴こえたりします。
ところが、全部を組み合わせるとひとつの音楽になります。
同じく、さまざまな立場のキャラ、さまざまな方向性のドラマが、ひとつの物語を作り上げる。
そういう意識から、あえて焦点を定めていない、という見方もできます。
また、成長や友情や恋愛や成功は共通のテーマを持っていると解釈するのもありです。
1期の大事な場面で言っていました。
{netabare}「何かにとっての特別になること」{/netabare}
久美子もいつかは、{netabare}誰から見ても無くてはならない、「特別」{/netabare}になる時が来るのかな。
核はぼやけていますが、各シーンは素晴らしく、はっきり丁寧です。
1期のクオリティを裏切らない出来でした。
……久美子と麗奈以外のメインキャラ(特に秀一)が不遇でしたが、続きに頼みたいので続き出してください。