oxPGx85958 さんの感想・評価
1.8
物語 : 1.0
作画 : 3.0
声優 : 1.0
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
大人の鑑賞に堪えないが子供にはもっと悪い
真面目にドラマを作ろうとしているとは思えない、とっちらかった作品でした。
それはともかく、これを見ていてずっと思っていたのは、時間旅行SFは数あれど、これほど迷惑な未来人は見たことがないということ。主人公は未来に関する知識を持つ者としては無責任きわまりない行動を取り続けます。それでわかったのは、自分が「時間旅行をする者の倫理」というSF的観念にいかに強く囚われていたかということでした。その点では本作は新鮮でした。
まあもともと美少女の戦国武将たちがサッカーやたこ焼きを楽しんでいる別宇宙への「タイム・スリップ」だからタイム・パラドックスなど起こりようがない。途中で出てくる「古い時代をぶっこわし、俺がいた未来とつなげられるのはお前だけだ」という主人公のセリフはミスだと思って忘れるとして。だから主人公はまったくの異世界に来た、その世界にまったく愛着のない異人として好き勝手に振る舞えるわけだし、実際の行動は戦国武将もののゲームでしか歴史を知らない高校生のレベルで幼稚であってもかまわないとは言える。
でもたとえば、劇中は主人公がキリスト教徒と仲良くする場面が描かれるけれども、豊臣秀吉が後に伴天連追放令を出すに至ったことをどう思っているのか。主人公が無知なのか、それとも作者の問題なのか。私にはどうも後者に思えるわけで、ここに時間旅行ものとしてはもちろん、異世界ものとしての根本的な問題があると感じます。要するに、歴史、そして歴史を動かす諸要因についての知識が浅い。
この点で、本作はこどもだましみたいな物語だけれども、こどもの教育に悪いと思いました。真空中を移動する宇宙船を描く作品で、エンジン音がドップラー効果で聞こえる、みたいなのと似ている。