DEIMOS さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
こじんまりしたセカイ系ロボットアニメ。
何かとエヴァンゲリオンを比較されることの多い、ボンズを一躍有名にしたロボット恋愛アニメ。
ひょんなきっかけでロボット(ラーゼフォン)のパイロットとなり、人種間戦争に巻き込まれた男子の葛藤と複数の女子との恋愛ストーリーを重ねたセカイ系アニメ。序盤は、エヴァンゲリオンを彷彿とさせるお約束の展開・設定だが、中盤〜後半にかけてオリジナリティが出てくる。しかし、終始一貫したテーマのようなものや視聴者を驚かせる仕掛けがない。畳み掛けるように出てくる新設定が理解を妨げる一方、続きが見たくなるような気持ちにならない。全体的に、暗い作風、行動原理のわからないモテモテのイケメン主人公、書き分けができていないキャラクター群等が本作の魅力を押し下げている。一方、綿密なSF設定、エヴァンゲリオンのように崩壊しなかったラスト、スタイリッシュなロボットデザイン、アクションシーンの作画などは評価できる。結果、こじんまりとまとまったセカイ系アニメだったな、程度の印象しか残らない。さりとて、以後、ボンズがロボットアニメを頻繁に作るようになったのは、本作の一定の成功があったからだろう。
スタッフロールを見ると、脚本には錚々たる名前が並ぶ。第15話だけ浮いているな、と思ったら磯光雄回だった。彼らの力をもう少しうまくまとめてくれたら、もっと名作になっただろうに。イラストレーターの出渕監督にはストーリーや作風に横串を通す力はなかったか。