DEIMOS さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
魔法少女ものへのアンチテーゼを提示した新房昭之の代表作兼大ヒット作。
シャフトが「なのは」に続いて送り出した魔法少女アニメ。まーた、魔女っ子ものね、と見初めて、予想を裏切られる。それもそのはず、シャフトの内省スタッフではなく、脚本に虚淵玄、キャラ原案に蒼樹うめ、キャラデザに岸田隆宏という精鋭を外部から迎えた。
まず、魔法少女とタイトルについているが、主人公「まどか」がいかに魔法少女にならないか(魔法少女になると代償やリスクを背負う設定のため)、というのが全体のお話。アニメ界の常識では、魔法少女は少女の憧れの存在であったはずだが、その前提をひっくり返してきた。そして、魔女という敵とのバトルよりも、魔法少女同士の抗争が序盤のメインのストーリーになる。デジャブ感があったが、これは、平成仮面ライダーのアギト、龍騎、555などで井上敏樹が描いた世界観に重なるものがある。ソウルジェムはさながら仮面ライダー変身ベルトか。終盤は、名作のお約束、並行世界設定がフル稼働。うまくオチをつけた。
作画は、ハイレベルだが、突き抜けたシーンは少ない。一部バトルシーン、日常シーン、変身バンクなど、要所で見どころがある程度。魔女とのバトルシーンの背景が前衛的なのは好みが別れるだろう。シャフト演出は健在。相変わらず枚数は少なめのようだが、うまく演出で補っていた印象。
シャフト×新房作品は、月詠、ぱにぽに、絶望先生、ネギま、なのは、ひだまりスケッチ、化物語、ささみさん、ef、3月のライオン、と観てきたが、インパクトだけなら劇場スタイルの演出を過剰に用いた月詠がトップ、作画面では吉成曜らが暴れたぱにぽに、阿部厳一郎一人原画のネギま春OPなどが記憶に強く残っている。しかし、シナリオ全体のクオリティを勘案すれば、やはり「まどか」が一番だろう。