RFC さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
生きてるとは 幸せとは
重たい話が好きと言ったら、友人に勧められて視聴。
原作もあとで全て読破しました。
【作品概要】
舞台はイタリア。
社会福祉公社という「重篤な障害者を救済・支援する」という機関の話。
【作品に対する感想】
言い方が悪いかもしれませんが、ひたすら可哀想です。
そして生きてるとはどういうことか
幸せとはどういうことか
必要悪はどこまで許容されるのかなど
いろいろ考えさせられる作品です。
重いストーリーをこんこんと視聴したい人にはお勧めです。
1)物語
社会福祉公社のやっていることはただの福祉事業ではありません。
救済の対象者は放置すれば死亡・廃人となる少女。
{netabare}
まず社会福祉公社は救済のために少女たちを義体化します。
そして公社のメンバーに対し従順なように薬物・催眠等で洗脳します。
(作中では条件付けと呼称する){/netabare}
公社はその少女たちを暗殺者として再教育し、テロとの戦闘員として使役します。
確かに元々なかったはずの命なのだから、どういう形であれ生きられるのならば良い。
その対価としてテロとの戦闘員となり、公社の盾となって闘え
…というのは理屈上分からなくもないです。
ただし、人として納得できるものではありません。
薬漬けにされた上、公社の道具となった状態で生きていると言えるのか。
意思か条件付けの影響か区別がつかない幸福感は本物なのか。
義体のデータは一般向けの義体にフィードバックされているうえ、
テロは防止出来るので、確かに公益になっているがこれは許されることなのか。
私には救いの無い話だなと感じました。
彼女達にとってはどうか解りませんが。
よくもこれだけエグイ話を考えたものだと思いました。
2)キャラ
トリエラがお気に入りでした。
他の娘達より少し年齢が上のせいか、頼れるお姉さんでした。
ヒルシャーも娘との距離の取り方が分からないお父さんみたいで好きでしたね。
ただ、彼女達が置かれた状況はどう見ても悲惨な状況なのに、
比較的幸せを感じて淡々と殺人をしているのは痛ましくてしょうがなかったです。
3)作画
暗めのトーンで描かれており、暗欝とした作品の雰囲気を上手く表現しています。
同じイタリアを舞台としているARIAとは対極ですね。
15年前の作品だけに、絵は若干古さを感じます。
4)音楽
これまた暗鬱な曲が多く、作品の雰囲気をより醸成しています。