ぽ～か～ふぇいす さんの感想・評価

3.8
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

４部に対する印象がだいぶ変わりました

ジョジョは２．３．５部が好きです

４部は駄作
それまで世界を股にかけて戦ってたのが
急にちんけな田舎町にスケールダウン
ラスボスもDIO様と比べると小物臭い
全体のストーリーの流れも
執筆しながらその場しのぎで考えているのがよくわかる
ちょっと前まで命がけで戦っていた相手と
大した描写もなく馴れ合ってるのも違和感
とにかく４部を飛ばして５部にいくわけにもいかないので
さっさと終わらせて５部に行ってくれと思いながら視聴

・・・あれ？
結構面白いよ？

考えてみれば４部を読んだのは中学生の時
そして一度読んで面白くないと判断したので
それ以来まったく手を付けていませんでした

しかし今ならわかります
荒木飛呂彦が一番書きたいものが書けているのは
この４部の非日常的な日常描写の部分なんだと思います
鳥山明がよくドラゴンボールのバトルシーンは
書いていてちっとも面白くないけど
ウケがいいから仕方なく書いていたなんて話をしていますが
荒木先生の場合も同じように
読み手が期待するものと自分の書きたいものが乖離していて
そこに苦しみながらも自分の書きたいものを優先したのが
この４部だったのでしょうね
当時の週刊少年ジャンプはまだまだ子供向け雑誌の位置づけだったので
メインの読者層の嗜好からすると
やはり４部は大分通好みというか大人向け過ぎでした
結局３部ほどの人気が得られなかったため
５部では元のバトルメインの作風に戻さざるを得なかったんですが
後の露伴スピンオフ作品などを見てもわかる通り
作者の一番描きたいものがこの４部の
それも本筋からは離れた枝葉のような話に凝縮されているのだと思います

そう考えると終盤に複数の話をごちゃまぜにし
合計回数を短縮したうえで
人気の高いラストバトルに大きく尺を取ったのは
商業主義の原則からすれば正しい選択であっても
４部のアニメとしては大チョンボだったことがわかります
結局それはかつてのジャンプ編集部が取ったのと同じ判断で
４部のマニアックな面白さを否定しているようなものでしょう
４部の面白さをしっかり押し出していくならば
一つ一つの話にしっかり尺を取ってほしかったところです

開始時にはさっさと終わらせて
できるだけ早く５部に繋げてほしいとしか思っていなかった４部ですが
思いのほか楽しく見ることができました
同時に子供の頃につまらないと切り捨てた作品の中には
もしかしたら大人になってから読んだ方が
ずっと楽しめたものが混じっているのかもしれないと思い到りました
昨今のリバイバルブームでいろいろと古い作品がアニメ化されています
当時原作を読んでいまいちだった作品はアニメ化されてもスルーしがちですが
先入観を排して改めてアニメに触れてみたら
当時はわからなかった作品の良さに気が付くことができるかもしれませんね