「カレイドスター(TVアニメ動画)」

総合得点
88.4
感想・評価
1550
棚に入れた
8233
ランキング
115
★★★★★ 4.1 (1550)
物語
4.4
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.2

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タケ坊 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 5.0 作画 : 3.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

観ないで居るのは勿体、ないっ、ないっ、ないーっ!!万人にお勧めできる すごい 名作

2003年の作品。
あにこれでは「カレイドスター」と続編の「カレイドスター新たなる翼」と分類が別けられていますが、
本編後のOVA2までまとめての感想です。

本作は所謂深夜アニメではなく夕方&朝に放送され、
冒頭のナレーション、毎話のタイトルからも小学生くらいからの視聴者を想定して作られた作品だということが判る。
しかしながら、大人が観ても充分に楽しめる内容で、正直視聴前は侮っていた部分があったものの、
得られる感動はむしろ驚異的であり、(たぶん作品中3分の1以上泣ける場面があった)
質的な面を差し引きして、そこまで高得点をつけては居ませんが、
決して観て損することはない、普遍的な価値を備えた文句無しに名作と呼ばれるに相応しい作品です。

☆物語☆

幼い頃に観た「カレイドステージ」のショーに感銘を受けた主人公そらが、
高校卒業後に単身アメリカに渡り、真のカレイドスターを目指す物語。

ジャンルとしてはスポ根もの、サクセス・ストーリーになるものの、
観る者にあまり馴染みのない、「カレイドステージ」
(シナリオのあるサーカス、ショーで、シルク・ドゥ・ソレイユを参考にしたらしい)
という舞台設定がなされているのが、他のスポーツ系のスポ根ものとは異なる大きな特徴。

これにより、単に競技が上達し、相手やライバルを負かし大会で優勝...みたいな話にはならず、
ステージを作る、観客を楽しませる、感動を与える、「演技者」としてどうあるべきか?
という点にしっかりと焦点を当てて描かれているので、観ている側には新鮮に映ると思うし、
数々のドラマを生み出すことを可能にしていると思う。
また、カレイドステージ以外での活躍、そこでの出会いもあるので、
スポ根ものにありがちなワンパターンな印象は感じない。

勿論スポ根ものとしての主人公そらの奮闘は一番の見所ではあるものの、
個人的に思う本作の醍醐味としては、各キャラクター達のドラマ。
4クールという尺もあって、そら以外のキャラクターがメインのエピソードも多く、
家族や仲間との絆、恋愛などを扱ったエピソードなどバラエティに富んでおり、
いずれも心温まる感動的なものばかり。
秀逸なBGMも相まって各キャラクター達の台詞に心動かされ、涙を誘われる。

そして、本作が特に優れている点としては、脚本&構成の秀逸さ。
毎話殆ど捨て回が無いことに加えて、
1話の中で中盤のCMに入るまでの起承、そしてCM後の転結がブレることがないので、
とても観易くなっている(新たなる翼は数話続くエピソードが増える)
また、シリアスなエピソードでも大抵コミカルな場面があるので、
子供が観てもまったく飽きること無く楽しめるのではないだろうか。

作品全体では4クールと視聴前には躊躇してしまう長さがあるが、
物語自体に難解さが殆ど無く気軽に観れるので、一度観始めるとどんどん先を観たくなり、
正直長いと感じることは全くないと思う。
これは優れた作品だけが持っている特徴といえるでしょうね。

物語の中で実際に行われている演技や特訓に関しては、現実味という点からするとかなり逸脱しているものの、
例えて言うなら「巨人の星」や「あしたのジョー」のようなもので、
子供の視聴を考えると、むしろ自然で評価を貶める程のものではないと思う。

「新たなる翼」では、そらが真のカレイドスターへと駆け上がっていく過程で、
純粋に子供から大人までキャスト含めてみんなが楽しめるステージ(争いのないステージ)
を理想とする思い、からの葛藤や挫折が中心に描かれていて、
それ以前よりエピソードはスポ根的要素が強くなってはいるが、
そらの精神的な成長が終盤の「本物の天使の技」となって実を結び、最後に大きな感動を与えてくれる。

個人的な願望としては、野暮な意見かも知れないが、
そらの最大の理解者であったケンと結ばれないまでも、気持ちに気づいて欲しかったかな笑
まぁあの鈍さが良い所でもあるんですが。

点数 練りに練りこまれた物語、ではなく話自体は平易なものだが、
   4クールを全く長く感じさせない脚本構成と、
   人生に於ける普遍的な価値を示してくれる名作に対して4.5点とするには忍びない。
   やはり5点を付けたい。

☆声優☆

兎にも角にも、主人公そらを演じる広橋涼さんがハマり役過ぎて素晴らしいの一言。
アニメ本編が始まる最初の語り、特徴的な3連呼の台詞...
時々声が裏返りそうになったりしているが、それすらもハマっていて、もはやこの人以外はあり得ないと思う。
また、感情を露わにする迫真の演技は何度泣かされたか分からない。
さすが「泣きの広橋」と言われるだけはある。
それにしても、あれだけ喜怒哀楽の表現が、そらの役柄に合っているとは。。

多くの声優さんは良い演技をしているし、顔ぶれも今となっては豪華なものだが、
(ケン役の下野さんは殆ど声変わってないけど、ソフィー役の沢城さんはかなり若々しい印象)
ホリプロのゴリ推しでデビュー当時のアイドルがちょい役をやっていたりするのが玉にキズ。。
イラッとするものの下手すぎるので、逆にネタ的と捉えると評価を貶めるほどではないかと。

ゴリ推しキャスティング以外は何も言うことがない。
そらが良すぎる事も踏まえて4.5点を付けたい。

☆キャラ☆

やはり何と言っても主人公そらの、考える前にやってみるチャレンジ精神、
明るくひたむきに、諦めずに何度でも立ち上がる姿勢は敬服に値する。
またその裏で悩み苦しむ様、時に挫折する姿に感情移入せずに居られない。
アニメの主人公としては理想的なキャラで、個人的にもそらのような女性には惹かれるところだ。

また、もう一人の主人公(と言っても良いと思う)レイラの弱さを見せない鋼のメンタル、
妥協のない完璧主義者な性格もまた魅力的で(本編後のOVA2は必見)
ステージに掛ける思いと、お互い高め合い、支えあい、
心の底から繋がっていく様が純粋に美しく、
昨今の作品にありがちな百合臭さなどを微塵も感じさせること無く、
2人の関係性をここまで美しく描ききるのは並大抵ではないだろう。

また、この2人以外にも、主要なキャラには充分な掘り下げがなされていて存在感が有る。
「新たなる翼」から登場するメイには正直あまり好印象を持たないが、
そらの精神的な成長に結果的に大きく貢献し、また本人にも成長は見られたので必要な存在だった。
変態妖精フールのような箸休め的な存在(やるときゃやる、そらを導く存在)も良いアクセントになっている。

この項目に関しては、何も差し引く点がない 5点

☆作画☆

デジタル化以降の作品だが、現在のものと比べてはいけない。
当時としては悪くないレベルだと思う。(同じく2003年の名作、プラネテスが如何に優れているかがよく解る)
アクション、動きのある演技シーンは検討しているのではないかと。
夕方や朝放送されていた所謂子供向けと考えると、充分視聴に耐える。

絶対評価と当時のレベルでの相対評価を加味して、3.5点

☆音楽☆

窪田ミナさんが担当された作中のBGMだけで言うと、
曲数自体は最近の作品より少ないものの(新たなる翼では曲数が増えている)
何も言うことはなく素晴らしい。
シリアスな場面、緊張感のあるシーン、
ここぞという盛り上げ時に絶妙のタイミングで流れる演出は何度も涙を誘われる。
また、ナレーションからCMへの入りに到るまで、とても印象的なもので耳に残る。

しかしながら、「名作に名曲あり」と言えないのが本作の唯一残念なところだ。
芸能&広告代理店関係のゴリ推しで採用されたであろう、1クール目のOP、EDが特に酷い。
最初のOPは曲自体は良いとして、韓国人ユニットが歌ってるせいか、下手すぎて耳を疑うレベル。

その後の曲では、2クール目のOP、EDが一番しっくりくるものの、
「新たなる翼」ではアニメーションとイマイチ合っていないように思え、浮いている感が否めない。
曲作りの段階から作品の内容を踏まえて作っていれば、こうはならないと思うのだが、
ここが如何にもゴリ推しタイアップ曲たるところだろうか。。

それでも50話に挿入されたレイラの歌う「Ray of Light」、
最終話に2クール目のOP「約束の場所へ」の声優&歌手混合のものを持ってきたところは素晴らしい演出だった。

作中BGMだけなら5点を付けるところだが、主題歌数曲に難ありなので4点


とにかく、この作品は只の子供向けスポ根アニメと侮って、観ないで居るのは勿体無い。
最初に書いた通り、未視聴の方には是非観てもらいたい名作としてオススメします。

投稿 : 2017/01/18
閲覧 : 261
サンキュー:

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