あすは さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
個性的なアニメです
最初見始めた時は、不思議な世界で冒険系ファンタジーかと思いましたが……いろんなアニメのパロ風が混ざり始めてきて、ありゃりゃりゃと戸惑っているうちに、娘が母親の保護から脱却するという、古典的なお話しで終わりました。
とにかく、最初から最後まで、とらえどころのない、いろんな要素をとにかくぶちまけたようなアニメで、見ている途中は次の展開が気になる、とても面白かった作品です。
全体通しての完成度よりも、1話1話の面白さを追求したような感じですね。それぞれの回の完成度は、非常に高かったのではないでしょうか。
今の10~13話でできてるアニメの作り方としては、これはありだなと思いました。今期、次回が楽しみなアニメ一番だったような気もします。
通して見ると、話の重要なところの説明などは割とスルーしています。
すべてにきっちり説明つける必要なんて全然ないんですが、それにしてもこの作品はそういう部分にまるで興味がないみたいで、まあ雰囲気を楽しめということなのかもしれませんが。
小林秀雄が、難解にするためわざと1行抜かしたとかいう伝説(事実かどうかは知りません(^^;)を、ふと思い出しましたw
エヴァなんかだと、作り手の内面、コンプレックスと強迫観念みたいなものがにじみでてきて、それが難解さ、凄みになっていると思うのですが、そういうものでなく、作為的に難解にしているという感じ(そういえばエヴァっぽいところも多分にありましたね)。いいか悪いかは別にして。
でも、昨今のアニメにはあまり感じられないものがあって、とても個性的な作品になっていると思います。
特に第6話はすばらしかったです。不思議な世界での、ちょっとのんきな「かけら」の争奪戦だったはずなのに、それが一気に逆転してしまう。絵への情熱を完全に失くして普通の学生になってしまった先輩の笑顔の衝撃。
今期のアニメで1話選べといわれたら、この第6話がダントツです。
あと、第7話で、誰もいない街をココナがひとり歩く場面の空気感! これはアニメでないと表現できないものですね。
最後のほうは、最終話に向けて、普通に収束していった感じです。
ここでお話自体が崩壊しかけて、最終話でまどか的に一気に飛躍したり、あるいはエヴァみたく放り投げたりすると、伝説のアニメになったと思うのですが、これはまったく個人的なないものねだりです(^^;
あ、あと、OP、EDともに、すばらしかったです。最後まで早送りできないOP、EDなんて、滅多にないですよね。