STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ネトゲのリアルの一つ?
原作は未読。
序盤は平凡な印象があったが、回を重ねるごとに面白くなっていった感がある。
いわゆるネカマ、ネナベなど、現実とネット上でのキャラクターの性別が異なるアイデアの
作品はあるが、更に一周回って主人公がヒロインをネカマだと思っていたら、リアルでも
そのまま女の子だったという設定が面白い。
リアルとゲーム世界のそれぞれのドラマが交差する形でストーリーが展開されていくが、
ゲーム世界は「ソードアート・オンライン」のようにフルダイブしたものではなく、あくまで
プレイヤーがPCでキャラを操作する通常のMMORPG。
そのために作中で描かれるゲーム世界はキャラ達の心象描写をイメージ化したものと捉えた
方が良さそうで、実際の映像を想像すると笑える。
特に瀬川 茜(シュヴァイン)や御聖院 杏(アプリコット)は序盤ではゲーム内では男性キャラ
だったのがリアルが女性だと判ってからは女性キャラになったが、おそらく実際のゲーム映像は
ずっと男性キャラのままだったはず。
ストーリー上の山場と呼ばれるようなものは中盤のハッキングに対する反撃や終盤の攻城戦
など、しょせんはゲーム内でのやりとりなのだが、それでもエンターテイメント性のある
活劇として仕立て上げられているところがいい。あとゲームやっている人にはゲームあるある
的な面白さがあるのではないかと。
ドラマ的には主人公である西村 英騎(ルシアン)とメインヒロインである玉置 亜子(アコ)の
ラブコメディが主軸であるが、ここで重要な要素となるのがリアルとゲームは別モノか否かと
いう、それぞれの認識の違い。
一見、ルシアンのように別モノであるという考え方の方が正論に思えるが、(ゲームに限らず)
ネット上の繋がりも結局は人対人という点を考えるとこれもまたリアルの一つと言えそう。
恋愛に関しては、ゲームでの婚姻関係がそのままリアルでもシフトするアコと、ゲームを
通じて知り合いになったアコとリアルで交流を進めるうちに恋愛感情を抱くようになった
ルシアンと、それぞれゲームに対するスタンスが異なりながら、結局は相思相愛になるところが
面白い。
通常この手のキャラ配置だとハーレムものになりがちだが、ルシアンとアコのカップルは
動かず、周りもそれを認めているところが気持ちいい。
もっともシュヴァインやアプリコットの内心はルシアンの好意があるのでは?と思える部分も
なくはないが。
2018/08/20