剣道部 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ」 by高橋歩
いや~、名作を作ろうと思って、名作を作れるってスゲェなって思います。
[2016秋 個人内ランキング 2位]
《以下ネタバレ》
【各話感想】
{netabare}
第1話
ん? 冬? コンクールは夏だったから、半年後とか? 1期のラストシーン直後から始まる2期は意外と珍しい。お、ここでチームもなかの演奏か。「駆け出すもなか」を観た組は、感動もひとしおですね。1話目からこんなにたっぷり間を使えるのって、1期でヒットした実績と自信があるからだねw 朝の音楽室での優子と麗奈のやりとり(仲良い悪い)は、ちょっとあだち充さんっぽいノリw
第2話
ん? 水着回か。意外というより、余裕を感じた。水着の色は完全に戦隊モノのイメージ通りだな(笑) Bパート、死んだ魚の目麗奈は、面白かったw このアニメはディフォルメの使い方もポイントとらえていて上手い。その直後に一瞬映った甲虫とクワガタの戦いは、夏を表現するだけでなく、麗奈と新山先生の戦いを暗示しているのだろうw
第3話
2つの真実。久美子も麗奈も、真実を知ることで逆に戸惑った感じだね。う~ん、採点競技の難しさだし、競技者の本音だね。
第4話
思春期の女子、って感じ。考えすぎなんだって、色々と(苦笑)。「男子高校生の日常」を参考にして、少し気楽になって欲しい(笑) でも、その「女子ならではのうだうだ感」をしっかり描けるのは凄いと思う。あと、みぞれ復活後の、優子と夏紀のやりとりは面白かった(100倍云々のやつ)w だんだんと、「ナイスペア(トリオ・カルテット)」が生まれてくるのも、この作品の良さですね。
5話目
中盤で関西大会もってくるのか。コンクールを1本丸々魅せてきた。トントン拍子で全国か。悪くはないけど、本当は来年(久美子達が2年の時)に行ってほしい気もするな。また、物語がだらけずに行くためには、しょうがないんだけどね。
6話目
文化祭か、普通の吹奏楽部ならここで引退になるんだよね。ん? てか、夏紀とみぞれ が同じクラスなのは分かるんだけど、希美も同じクラスなの? じゃあ、部活で避けてても、絡まないのはムリがあったんじゃ? 演奏聞かなければ大丈夫ってこと? う~ん、塚本と久美子にラブコメの波動があったけど、個人的には塚本と葉月を応援してるから、複雑(笑) 家族ネタ入れてくるの? 大学なんて、楽で楽しいだけじゃんw
7話目
久美子の家族ネタかと思えば、あすかの家族ネタか。自分は部活で大学までいったので偉そうなことは言えないけど、経験上、部活やってようが受かる奴は受かるし、部活辞めようが落ちる奴は落ちる。「皆に迷惑かけるようなことはしない」……はっきりと「辞めない」と言わないあたり、あすからしい言い方ですね。母子家庭&ヒステリックもちの母親か……。まあ、インターハイは8月までだけど、コンクールは11月まで?ですもんね。不安になる気持ちも分かります。
8話目
いや、大学は卒業しようよ、その後からでも美容師は逃げないし。でもお父さん、あんな言い方をすると、男のところに行くだけですよ(笑)。余談ですが、{netabare}個人的に、久美子が風邪ひいた時に欲しいものを聞かれ「プリン、抹茶じゃないやつ」と答えたのがつぼだったw 私も昔、平等院鳳凰堂を見るために宇治市に行ったことあるけど、「宇治=お茶(抹茶)」ということで、お茶味の物を食いまくった。抹茶ソフトに抹茶ケーキ、抹茶団子に茶そば……美味しかったけど流石に2日で飽きた。地元の人なら尚更だろう。てか、京都ってあまりにも観光に特化してて、どの食堂に行っても所謂京都っぽいものばかりで、3日くらいいると、「生姜焼き」とか食いたくなった(笑){/netabare}そういう部分まで細かいキャラ設定しているのが、この作品の強みですね♪
9話目
香織先輩のセンス(笑) 香織に靴ひも結ばれている時の、あすかってどんな表情してたのかな? ここでちゃんと「あすかが楽器持ち帰っている(自主練してる)」ってのは、復部する布石として大事だよね。そつがない。
10話目
なるほど、晴香とあすかの関係って、もしかしたら久美子と麗奈の関係の延長線上にあるのかもね。そして、あすかの道の延長線上に久美子姉がいる。も、模試で全国30位(驚)! 力ずくで復帰、流石あすか先輩(てか、久美子の話があってもなくても、復帰の為の布石をうっておくのが、らしい。でも、心の中では「いまさら戻るのはダメじゃないか」という普通の女子高生らしい葛藤もあり、その部分を久美子がとかしたんですね。う~ん、リアルな解決方法だ)!
11話目
久美子が浮気するから、麗奈が拗ねた(笑) 夏紀先輩、好感度上がるエピソードしかないんだけど(笑)
麗奈と久美子の会話、久「真っ暗だね」麗「だったら帰る?」は、「私、性格悪いよ、だったら、私から離れる?」という、麗奈の気持ちに聞こえた。
12話目
あれ? サファイア呼び訂正しないね。オーボエのリードって自分で作る人もいるし、既製品でも寿命あるから、ベストのやつを本番に合わせたんだね。あのグータッチは、みぞれなりの「ありがとう」だね。ザックリ演奏シーン切るのは良いと思う。関西大会である程度やりきったし、全部はやりきらない方が3期に繋がるしね。麗奈の告白は、良いラインだった。演出、上手いな~。
13話目
3年生だけの曲。3年生抜きのコンクール曲。12話目でガッツリ演奏シーンカットしたからこそできること。このへん、やっぱ上手いわ~。答辞を読むのは、成績優秀者(あすか)じゃなく生徒会長では? 恋の相談?→はい。→マジ? は笑ったw ここにきてのタイトル回収には、正直、鳥肌がたった。完結していない作品のラストとしては、過去最高のものだったと思う。
{/netabare}
【視聴終了】
{netabare}
この作品の一番の凄さは、「登場人物が(モブ含め)ちゃんと生きてる」ってことだと思います。物語は当然、1年生の4人組を中心に回っていくんだけど、その同じ時間を、本当は他のキャラも同様の密度で生きているわけで。アニメならではのちょっとした描写で、そういう行間を読ませるのがとても上手いと思いました。
例えば、2話目(水着回)Aパートラスト。{netabare}希美と久美子が長話をしているシーン。たった1カットですが、待っている麗奈達が映ります。そこにはなぜか、葉月とじゃんけんをしようとしてる、(チームもなかの)加部先輩の姿が。よく見ると、二人の間にカップアイス。多分、久美子を待つ3人の所へ加部先輩が来て、話をしていて、久美子のアイスがとけちゃうからその争奪戦を葉月と二人で繰り広げていたのでしょう。緑は自分が食べ終ったアイスの棒を持ち、麗奈は食べかけのアイスとコーンだけになったアニメを両手持ち。ひとつは多分葉月のアイスで、葉月から「ちょっと持ってて!」とか言われて持たされたのでしょう(麗奈が2つ食べるわけないから)。麗奈は冷ややかな表情を浮かべながらも、横目で二人の対決をちらっと見ている。{/netabare}そこには、チームもなかとしての葉月と加部先輩の関係性や、気軽にものを頼めるようになった葉月と麗奈の絆の深まりが見てとれ、時間にしてわずか5秒程度の1カットからも、それだけの情報を得ることができます。
他にも8話目(風邪回)Bパート、{netabare}風邪をひいた久美子に食べたいものを聞くお母さん。「プリン、抹茶じゃないやつ」と答える久美子。これきっと、宇治市民だから抹茶は食べ飽きてるってことだよね。なのに、お母さんが買ってきたのが、(一瞬だけ映ってますが)「ほうじ茶プリン」w しかも、ちゃんと完食してるしw 多分、こんな会話があったのでしょう。久「え~、ほうじ茶プリン? 普通のが良かったのに」。母「だって久美子、抹茶じゃないやつって言ったじゃない」。久「う~ん、そうだけどぉ」。母「嫌なら食べなくて良いわよ」。久「食べるけどさぁ~」。(この後、麗奈がプリンをもってきて、久美子が「これこれ、普通のプリンが食べたかったんだよ」と言っていることからも想像がつく){/netabare}このシーンからは、気兼ねなく会話できる母娘の様子が想像され、それは多分あすかの母娘関係との対比なのでしょう。一方で、久美子の好みが分かっている友達と、ちゃんと分かっていない母親という関係性も見られ、あすかの母娘関係との相似点ともなっています。
「作画が良い」というのは、単に「絵が綺麗」ということだけでなく、「1カットにどれだけ意味を詰められるか」ということでもあります。これらのシーンに集約されるように、64名の吹奏楽部員(+α)全員に命を吹き込めているのが、この作品の最たる魅力だと思います。
この作品(2期)のテーマは、OPのサビの歌詞通りだと思います。
『もう一回 大げさな夢を 探しにいこう 止めない 勇気こそ 強さ』
何度断られようと吹部復帰をあきらめなかった、希美。同期生がどんどん辞める中でも部活を続けた、みぞれ。美容師の夢をあきらめなかった、久美子姉。全国の夢の為に勉強をがんばり結局は部活を辞めなかった、あすか。滝先生を好きな気持ちを止めなかった、麗奈。
たくさんの人物の「止めない勇気」を観ることができました(進藤さんの、「よくここまで続けてきたね」には、泣きそうになりました)。
最初、「響けユーフォニアム」というタイトルを聞いた時、正直ピンと来ませんでした。「のだめカンタービレ」好きなので、楽器の名前はほとんど分かっているつもりだったのですが、「ユーフォニアム」は知らない楽器でした。その「ユーフォニアム」を主人公にもってきた、その意味は?
まずは、「意外性で読者を惹き付ける」という意図はあったのでしょう。でも、それ以外にも、「ユーフォニアム」という楽器の特性もある気がします。ユーフォニアムは基本的に低音楽器なので、全体を下支えする役割なのですが、チューバなどに比べると音域が広く、高音パートなど様々な部分に顔を出す楽器(だそう)です。基本的には「支える、繋ぐ」楽器。でも、時折「ソロも吹ける」楽器。
河川敷であすかも言っていたけど、主人公の久美子らしい楽器なんでしょうね、多分♪
散りばめた伏線は漏れなく回収し、ちゃんと「全国金賞」「夏紀や葉月(もなか)の成長」「まだ大して目立っていないサファイア」「葉月や久美子、麗奈の恋」「力ある新入生の入部」など、次もできる要素がある様子。3期期待してます!
{/netabare}
【総括】
う~ん、なんというか同期(2016秋)アニメとは「レベルが違う」というより、「格が違う」。違う土俵で勝負している感じですね(自分が1番好きなのはガーリッシュナンバーでしたが)。勝ち負けとかじゃなく、「本格派右腕」でドラフト1位って感じです(ガーリッシュナンバーは変則左腕、ドラフト4位です)w
1期、2期合わせ、青春部活モノの金字塔だと思います!