岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ご飯はおいしいだけじゃなくて、
うれしい。
原作未読。
最近はご飯もののアニメもそうですが、親子をメインにしたアニメが増えてきた感じがしますね。また子供役に子役をキャスティングするのもトレンドになってきているような。その中でも本作は料理というテーマに絞っているので、物語のコンセプトがはっきりとしていてわかりやすい。OP・EDも良曲。
お父さんは本当に料理が初心者だったので、未経験の視聴者にも優しい内容。とはいえはじめてにして料理できすぎじゃないか!、と未経験者の私はちょっと嫉妬です。余談ですが、料理をしている頑張り屋のお父さんが、なんだかかえって子供のように見えてしまい楽しかったです。
教師とその実の生徒が親御さんの許可をとっているとはいえ、プライベートで子供同伴で一緒に料理をつくる、という関係性は人によっては好みが分かれる設定かもしれません。あくまでもメインはつむぎと料理なので、そこを深く考えてしまうとあまり楽しめないと思います。でもゆっくりでもいいので、自分たちのペースで楽しく料理する3人の姿はとても微笑ましいものでした。
作中の印象的なセリフでもありますが、つむぎがご飯を食べた後言った一言。ご飯はおいしいじゃなくて、うれしい。シンプルですごく胸に響くセリフでした。言われてみればそうだよなあ。大人の自分にはなんだか当たり前すぎて、言葉にすることを忘れてしまった感覚でした。そういう風に言ってもらえると作った方もまた嬉しくなって、そうやって嬉しさのバトンが繋がっていきますね。
子役の役者さんも序盤は演技に硬さが感じられましたが、中盤からは自由に楽しく、のびのびと演じている様子が感じられました。清潔感や癒しオーラはそのままに、どこか円熟味をも感じさせる早見さんのお芝居も素晴らしかった。とても楽しめる作品でした。